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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
発売年月日 | 2003/07/29 |
JAN | 9784336045201 |
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
主人公の少年が仕事に行く途中でバスから降ろされ、そのまま他のユダヤ人達と一緒に強制収容所へ移送され囚人として使役されると言うのはとてもリアルだと思った。 多くのホロコースト文学はそこで見たもの起こったことを克明に書くが、本書はすべてが曖昧に描かれる。恐らく著者本人も噂や人から聞い...
主人公の少年が仕事に行く途中でバスから降ろされ、そのまま他のユダヤ人達と一緒に強制収容所へ移送され囚人として使役されると言うのはとてもリアルだと思った。 多くのホロコースト文学はそこで見たもの起こったことを克明に書くが、本書はすべてが曖昧に描かれる。恐らく著者本人も噂や人から聞いた話は書いても、直に見てないものを書こうとしていないのだろう。過酷な状況を生き抜いて「苦悩と苦悩の間にも幸福に似た何かがあった」と言う主人公の生きる事の本質をついた言葉は見事だと思う。
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著者(ノーベル文学賞受賞者)が実際にナチスの強制収容所で経験したことに基づいた小説。 もっと悲劇的というか、「ナチスは絶対悪!」みたいな文章かと思いきや、かなり淡々とした口調で収容所での日々が語られていて、ちょっと拍子抜けしてしまった。 ホロコースト関連の本は色々とあるけど、自分...
著者(ノーベル文学賞受賞者)が実際にナチスの強制収容所で経験したことに基づいた小説。 もっと悲劇的というか、「ナチスは絶対悪!」みたいな文章かと思いきや、かなり淡々とした口調で収容所での日々が語られていて、ちょっと拍子抜けしてしまった。 ホロコースト関連の本は色々とあるけど、自分の見たことをそのまま書いている、という意味では最も真実に近い本なのかもしれない。ただ、忠実に忠実に書こうとするあまり、文章がちょっと読みづらくなっている(おそらく翻訳とかの問題ではない)。正直悪文だなぁとは思ってしまったのでこの評価。でも「ホロコースト」というものを色眼鏡なしに見るという点では非常に参考になると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公の少年は強制収容所から解放され後に「苦悩と苦悩の間には、幸福に似た何かがあった」と回想した。同じことをソルジェニツインが『イワン・デニーソヴィチの一日』で語っている。どんな過酷な境遇にあっても、希望を失わないことが生還に結びついた、そのことを物語っているように思う。だから、少年はこうも述べている。「もしすべてが運命でしかないなら、自由などありえない、その逆に、もし自由というものがあるなら、運命はないのだ。」自分の人生は自分で切り拓いて行くしかないのだと、改めて思うのでした。
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