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古代出雲 講談社学術文庫1580
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2003/01/10 |
JAN | 9784061595804 |
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古代出雲
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商品レビュー
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1984年の荒神谷遺跡の発掘・調査の結果を受けて、古代の出雲地方にかんする著者の考察が展開されている本です。 著者は、本書に先立って刊行された『出雲の古代史』(1976年、NHKブックス)において、ヤマト王権の影響圏のなかで出雲地方の古代史を考える立場を批判し、「地域王国論」と...
1984年の荒神谷遺跡の発掘・調査の結果を受けて、古代の出雲地方にかんする著者の考察が展開されている本です。 著者は、本書に先立って刊行された『出雲の古代史』(1976年、NHKブックス)において、ヤマト王権の影響圏のなかで出雲地方の古代史を考える立場を批判し、「地域王国論」という枠組みのもとで出雲の古代史を理解しようと試みていました。こうした著者の立場は、考古学者の森浩一によって提唱された環日本海文化論と響きあう内容をもっているということができます。本書は、このような基本的な立場を引き継ぎながら、あらためて古代出雲の真相にせまろうとする試みです。 著者は、古事記や日本書紀に見られる出雲にかんする記述は、弥生時代の出雲を理解するために直接援用することは、あまりにも時代のへだたりを無視しているとしてしりぞけ、考古学の成果にもとづいて「原イツモ国」の実態にせまっています。その一方で、しばしば考古学者の議論において、国家の形成とともに生じるはずの官僚機構や支配関係に対する考慮が欠けていることを批判しています。 また、古墳時代以降の出雲氏にかんする記紀の叙述についても議論がおこなわれており、出雲の地方政権がヤマト王権による国土統一のプロセスにどのようなしかたで組み込まれることになったのかということが論じられています。 著者自身が本書刊行以前に提出した説の補強や、他の論者からの批判に対する応答などが多く、それらの前提知識をもたないわたくしには、やや難解に感じられるところがすくなくありませんでした。
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大和朝廷に帰属するようになる前の古代出雲のあり方について、文献学的な考察と考古学的な知見とを丁寧に検討し、様々な説を批判・検討した上で、その多層的なテキストと出土した遺跡とを踏まえて自説を展開する。 その姿勢は素人にも分かりやすい。 単純化して分かりやすく、というのではない。むし...
大和朝廷に帰属するようになる前の古代出雲のあり方について、文献学的な考察と考古学的な知見とを丁寧に検討し、様々な説を批判・検討した上で、その多層的なテキストと出土した遺跡とを踏まえて自説を展開する。 その姿勢は素人にも分かりやすい。 単純化して分かりやすく、というのではない。むしろ輻輳し、多層化している中から「現実」の可能性を拾っていく手捌き自体をクリアに示してくれている所が、分かりやすい。反論に対する再反論も、自説の変更点や修正も、根拠に触れた上で論じてくれている。 最初に読む出雲本として、適しているのではないか。 人によってはその丁寧な参照が煩わしいという印象を抱くかもしれない。 しかし、単純に記紀の神話を重ねて出雲を理解するような早わかりではないからこそ、安心して入っていけるのではないか、と個人的には思った。 当然様々な学説が展開されている領域だろうし、むしろその息吹の一端を垣間見ることが出来るという点で、読んで良かったと思う。
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古代出雲 門脇禎次 講談社学術文庫 ISBN4-06-159580-6 2003年1月10日第一刷発行 学術文庫版へのまえがき 序章 荒神谷以後 1 古代出雲をなぜ再論したくなったか 賑わう古代出雲論 執筆の動機 2 荒神谷遺跡の大発見とわたくし 初耳は出雲で 荒神谷...
古代出雲 門脇禎次 講談社学術文庫 ISBN4-06-159580-6 2003年1月10日第一刷発行 学術文庫版へのまえがき 序章 荒神谷以後 1 古代出雲をなぜ再論したくなったか 賑わう古代出雲論 執筆の動機 2 荒神谷遺跡の大発見とわたくし 初耳は出雲で 荒神谷遺跡をめぐる初のシンポに参加 新聞・テレビでの小論と荒神谷再訪 『調査概報』の入手と田中義昭氏の論 Ⅰ章 原イツモ国 荒神谷遺跡をめぐって 1 出雲平野の村むら 考古学の成果に学ぶ 弥生時代の景観と集落 農業共同体の形成 2 首長(=王)の出現 西谷墳墓群 首長の支配領域 〔付論〕加茂岩倉遺跡、随想三題 ――「出雲」の地名、銅鐸の絵、神話とのかかわり―― 補説――「原イツモ国」の語について Ⅱ章 原イツモ国の行方 1 原イツモ国と『記』『紀』の記事 原イツモ国は「葦原中つ国」のことか? 崇神紀・垂仁紀の記事 崇神紀六〇年条の内容 崇神紀六〇年条にみえる「出雲臣」 2 出雲フルネ 出雲振根と神戸臣古祢は別人 振根(フルネ)らの名 飯入根は出雲東部(意宇)の首長か? 出雲振根のつかさどった神宝 3 原イツモ国の終焉 出雲平野の村むらの動向 原イツモ国の分解 出雲東部(意宇)の村むら Ⅲ章 イツモ王国 1 出雲の古墳文化 古墳の出現 フルネ(振根)滅亡後の出雲西部 2 新設とその問題点 古墳文化についての"新説" 考古学者の論法 3 イツモ国の形成 王の系譜 王の官人群 王への貢納体制 オウの王の支配領域 建国神話 Ⅳ章 イツモ国の変質 1 出雲に迫るヤマト勢力 『出雲国風土記』の二つの史料 日置伴部らの「政」――出雲西部の部民制 日置部とカンド氏 2 イツモ国王から出雲国造へ 国造制のとらえ方 出雲国造神賀詞から 〔付論〕大三輪の神なびと出雲の神々――出雲国造神賀詞をめぐって―― オウの王は何故、出雲(臣)氏と称したか 3 出雲国造と部民制 出雲の額田部と額田部臣 出雲の語部と二系の編成 出雲に玉作部なし Ⅴ章 出雲と律令制 1 国造支配の変化 「評」制と餐 国造の地位と変化 2 出雲と出雲観の変化 出雲守忌部宿祢子首 出雲関係史料の形成 3 民衆の貢進物 貢進物の変化 さまざまにたてられる課題 あとがき http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061595804
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