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宮殿泥棒 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | 内容:会計士. バートルシャーグとセレレム. 傷心の街. 宮殿泥棒 |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2003/03/10 |
JAN | 9784167661304 |
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宮殿泥棒
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商品レビュー
4.4
12件のお客様レビュー
柴田元幸さん訳ものです。柴田さんの訳者あとがきにも書かれていますが、この本の主人公たちは子供の頃、トムソーヤでも、ハックルベリー・フィンでもなく、シド・ソーヤ(トムソーヤの弟。あの眼鏡をかけた真面目そうな子)タイプだった人たちです。
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すごく良かった。一篇一篇読み終わるたび、切ない想いで胸がいっぱいになり、余韻に浸ってしまった。 世の中で基本的に物語の主人公になり得るのは「バッド・ボーイ」ばかり。そりゃそうだ。どうせフィクションの世界に遊ぶなら、社会通念に捉われず、痛快な振る舞いをしてくれる人物の方がいいに決ま...
すごく良かった。一篇一篇読み終わるたび、切ない想いで胸がいっぱいになり、余韻に浸ってしまった。 世の中で基本的に物語の主人公になり得るのは「バッド・ボーイ」ばかり。そりゃそうだ。どうせフィクションの世界に遊ぶなら、社会通念に捉われず、痛快な振る舞いをしてくれる人物の方がいいに決まっている。 一方、「グッド・ボーイ」は物語では常に脇役だ。それも主人公のよき理解者の役として登場すればかなりましな方で、大抵の場合、鼻持ちならない嫌な奴として描かれることが多い。そういう物語に触れると、嫌味な敵役が主人公にやりこめられる様に胸がすくような気持ちになる一方で、何となくもやもやした違和感を覚えていた。現実問題、「グッド・ボーイ=優等生」ってそんなに嫌な奴か?と。 この本は、フィクション世界でいつもヒーローの引き立て役にされる、「優等生」達を主人公にした中篇小説集。どの作品の主人公も日々を真面目に過ごし、こつこつと努力する人ばかり。周囲から見るとそれなりに成功もして、冷静に考えればそれなりに羨まれる立場にいる。 だが、身近には必ず魅力あふれる「バッド・ボーイ」達がいて、彼らが放つ光の眩さの前に、主人公のささやかな光は簡単に飲みこまれてしまう。そのことを自覚しながらも、彼らは自分らしく、堅実に生きていく。 どの作品も主人公の性格そのままに、あまり強烈な事件は起きず、はっきり言って地味な筋だ。でも不思議なことに先が気になって読み進めてしまう。それは主人公達が卑屈になることはなく、地味ながらも背筋を伸ばして自分なりに生きている姿が好感を持てるからだと思う。そして読み手である私が、基本的な価値観について、彼ら「グッド・ボーイ」寄りの人間だからだろう。 どれもよかったが、中でも気に入ったのは「バートルシャーグとセレレム」、「傷心の街」。
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頭のいい人は、下手すると鼻持ちならない存在になりがち(僕みたいな劣等生は、ということですけど…)ですけど、このイーサン・ケイニンにしろ、柴田元幸にしろ、頭のいいことが人を心地よくする、という人が世の中には存在していて、この作家にしろ、この翻訳家にしろ、僕をとても心地よくしてくれる...
頭のいい人は、下手すると鼻持ちならない存在になりがち(僕みたいな劣等生は、ということですけど…)ですけど、このイーサン・ケイニンにしろ、柴田元幸にしろ、頭のいいことが人を心地よくする、という人が世の中には存在していて、この作家にしろ、この翻訳家にしろ、僕をとても心地よくしてくれる。だから、この作家が好きだし、この翻訳家の本についつい手が伸びる。要するに面白い本です。
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