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構造デフレの世紀
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構造デフレの世紀

榊原英資(著者)

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構造デフレの世紀

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/
発売年月日 2003/04/10
JAN 9784120033841

構造デフレの世紀

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2009/09/25

本書は「ミスター円」と呼ばれた榊原英資氏の本である。 筆者によれば21世紀はデフレがグローバルかつ構造的なものであって、政策によって逆転できない。この時に政府は企業がデフレの下においても収益を上げられるような規制緩和、財政支出、税制などをするべきであると主張している。たしかに本書...

本書は「ミスター円」と呼ばれた榊原英資氏の本である。 筆者によれば21世紀はデフレがグローバルかつ構造的なものであって、政策によって逆転できない。この時に政府は企業がデフレの下においても収益を上げられるような規制緩和、財政支出、税制などをするべきであると主張している。たしかに本書が出版された当時、世界中で「中国はデフレを輸出している」と声高に叫ばれたものであった。 もっとも筆者自身は財務官の時にはこれまで日本で行われてきた財政出動を行い、金利を引き下げ、円高を是正すれば景気は回復すると思ったという。しかし、一時的に景気回復はしてもトレンドとしてデフレと不況に向かっていった日本を見て自身の政策に疑問を持ったのがきっかけであった。 また、筆者はジョージ・ソロスの指摘するバブルと崩壊のサイクルに陥りがちなことを支持している。 ただ、筆者が19世紀末のパクス・ブリタニカの時代にも構造的なデフレがあったがGDPの伸びは堅調だったというが、それには個人的に賛成できない。当時はデフレであっても金本位制であったことを見逃しているような気がする。ゴールドラッシュで金需要が増し、先進各国が金本位制を導入した結果、金に裏付けされた貨幣価値が高くなったため価格が下落したので、この時代と今の時代をやや同一視しているような気がする。 評者は原油高が進行し、日本の地価が上昇に転じ、ブッシュ政権がバイオエタノールを発表すると穀物相場にもマネーが流れ込み、パスタやパンといった食料の値上げを見たときに筆者の予想は外れたと思った。中国などの新興国が資源争奪戦を繰り広げているため価格が下がらないのを見ていたからである。WTIも1バレル=140ドルを窺い、誰もがインフレを考えた。 しかし、昨年の春、日本の消費者物価指数はマーケットの物価上昇予測の期待を全く裏切るものであった。そして、日本では消費不振に陥り、大手スーパーなどの値下げを決断。アメリカの住宅バブルの崩壊、リーマンショックを経て再び値下げ競争が激しくなっている。雇用も流動化が進み、企業は1円、1セント単位の競争を強いられている。俗に言う「川上インフレ、川下デフレ」である。 日本は再びデフレに向かって歩みを始め過剰流動性はどうやら金相場に向かっているようだ。 果たしてデフレは構造的なものなのか、政策では逆転できないのか?評者には分からない。なぜならば経済政策は「やってみないと分からない」からである。しかし、間違いなく従来の公共事業型の財政政策では恐らく効かないであろうし、インフレターゲットには企業財務の実務を経験した人間として無理があるだろうと考える。 我々はもう一度模索を続けている。

Posted by ブクログ

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