戦争と救済の文明史 赤十字と国際人道法のなりたち PHP新書

井上忠男(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2003/05/02
• JAN: 9784569628967

商品レビュー

2017/12/14

「人道的性格を有する条約に定める身体の保護に関する規定、特にこのような条約により保護される者に対する報復（形式のいかんを問わない）を禁止する規定については、適用しない」と規定し、相手の条約違反を理由とする条約の終了または運用停止は、国際人道法には適用しないという措置も定めている。人道法とは、このようにあらゆる法の上位に立つ超越性、普遍的性格を持つ。それはジャン・ピクテが言うように「人道法は単なる物やサービスの交換に関する法ではなく、人間の命と尊厳に関わる法である」からであり、戦争という極限状況下でも人間として最低限守るべき最終的な道徳的、倫理的規範だからである。

2010/03/05

ためになった！
なぜ戦争にルールがあるのか？ジュネーブ条約とかハーグ陸戦条約とかいろんな国際的なルールがあるのかがずっと疑問だったが、この本でだいぶ理解できた。
回避できない戦争の被害をなるべく最小化するために人民の救済(赤十字)と戦争手段の制約(諸条約)が確立されたのこと。

現代の戦争についての理解するには必読かと。

近年のテロに対しての救済や制約について今後の課題か。