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ブランシュ先生の精神病院 埋もれていた19世紀の「狂気」の逸話
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2003/09/06 |
JAN | 9784562036769 |
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ブランシュ先生の精神病院
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商品レビュー
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精神を病んでしまった人間を「狂人」ではなく「患者」と捉えることにいついて、ふたつのことが言えると思った。第一に、患者の視点から考えると、それは人道的・道徳的扱いを受けることが出来るようになるということ。 第二に、患者の周囲の人間、すなわち家族であったり隣人であったり、あるいは医者も含めて、「狂人」=「悪魔に心を奪われたもの」「人間ではないもの」という恐怖の対象を、「患者」=「治療できるもの」「われわれの理解の範疇内のもの」とし、そこにある程度の安心を得ることができるということ。 わたしはこれまで、精神病といえば医学の分野の出来事だと簡単に考えていた。それは、精神病という言葉を始め、鬱とか引き篭もりという単語、事象が珍しいものではない、ただの「病気」だと短絡的に思っていたからだ。心を病んでしまっても、お医者様にかかってゆっくりと治療していくことで、全快とはいかなかったとしても、それなりに回復することが出来る。たとえば心臓病とか糖尿病と同列の、ただの「病気」だと思っていた。 でも、この本の冒頭で、改めて精神病患者が「患者」として扱われるようになった時代のことを考えてみて、医学的観点だけではなく、そこには社会学的な要因が多分に含まれていると知った。わたしは社会学を勉強したことがないから、詳しいことはさっぱりなのだけれど、よくよく考えてみれば、E.H.サザーランドの逸脱の社会学においても、犯罪の後天性が指摘されている。これは、犯罪者が先天的に犯罪者であるという恐怖を払拭させる考え方だとわたしは思う。つまり、犯罪者もかつては「犯罪者でないわれわれ」と同類であり、逸脱をしたけれども、罰を与えることによって更正させることが可能であるという考え方は、犯罪者という「狂人」を、自分たちの仲間、理解の範疇に置こうとしたことに他ならないということだろう。 誰でも心に一抹の翳りを抱えているものだと思う。それに飲み込まれることだって、誰にでも起こり得ることなのだ。でも、それでも、それは一時のことであるとわたしは思いたい。たとえば、晴れの日でも白い雲が太陽を隠すときがある。そんなふうに心が曇り空で、視界が滲んでしまうことがあったとしても、それは不穏当なことであると絶望して退けるのではなく。 もちろん、当事者はそういうことを考える余裕がない。でもだからこそ、周囲の人間に、翳っている今に続く晴れの瞬間を、一緒に待っていて欲しいと思う。
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十九世紀フランス、ブランシュ家が運営する精神病院とその患者、非患者の考察。治療法や思想、富裕層やインテリ層の著名な患者など興味深い。 女性は生まれながらにして狂気じみており思想はすごすぎる。
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