神武東征の謎 「出雲神話」の裏に隠された真相 PHP文庫

関裕二(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2003/12/03
• JAN: 9784569660981

商品レビュー

2022/05/08

初代天皇神武天皇の大和への東征神話を考察した本。神話だから事実ではないと決めつけずに検証すべきという筆者の言葉はまさにその通りだと思う。
ただ内容は若干筆者が走りすぎている感も無きにしも非ず、もう少し練ってもよかったのではないかという気もする。

筆者の不満にもある通り、どちらかというと記紀の事実性に疑問がついたまま置かれているという印象の、古代日本、王朝文化の始まりの考古学的探究も、いつかは大きな発展があるのだろうか。

2013/07/11

「神武東征」と言う割には、それについての記述がほとんどなく、神功皇后の話がメイン。前作を読んでいなかったためか、いま一つ腹に落ちてこない。逆に卑弥呼の謎が深まった感じがして、ストンと落ち着くところに落ち着いていない。
元々著者の推論は面白く、興味があったので、そういう意味では楽しめる部分も多い。
本書を読んで、これが真実だ！と思うような人には向かない。あくまでも一つの仮説として、読者が自分自身で考察するための一材料とすべき。

2013/04/29

北部九州の女酋長卑弥呼を亡き者にしたヤマトの使者トヨがヤマトの裏切りにより南部九州へと逃れ、その末裔が神武東征を果たした。記紀はそれらの事実を様々な時代にバラバラに入れ替え語ってきたものである、との説。
ちょっと無理があるように思われる。