真夜中の金魚

福澤徹三(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 2003/12/20
• JAN: 9784087753325

商品レビュー

2018/11/18

夜の町で不器用に生きる者たちの青春物語。

東京から舞い戻ってきた俺は、九州の歓楽街で、しがないクラブのチーフを務める25歳。

パチンコ屋の打ち子、店の金のちょろまかしなど、陳腐に金をせしめながら、出口の見えない生活に呆然としていた。

しかし悪事は周囲から忍び寄り、いつの間にかヤクザに命を狙われるまでに。

恋人の明日香、旧友の浅倉など、青臭い思いも捨てきれない。

夜の男は夜の世界でもがく。

後半少しバイオレンス。

でも読後感はスッキリ。

帯に青春、、、青春か！？

2016/09/06

福澤徹三といえばやはり北九州！！「Iターン」ではなく「すじぼり」系のお話。
しかし、「夢もなく、希望もなく、どうってことのない青春だが、ここにあるのは私たちの青春だ。このささやかさが愛しく思えてくるのである。」っていう帯は完全にミスリードでは…？？北上次郎さんの書評は好きですが。やーさんに殴られて前歯折れるような大事件は私たちの日常には絶対に起こらないし全くささやかじゃないぞ…。
でも主人公に対してアウトローと銘打つのもピカレスクロマンと謳うのもいささか大げさになる感は確かにある。だから退屈…なんてことは全くなく、面白く読めたけれど！
あとね、私も女なのでね、彼女のために命かけて戦うっていうのは単純に面白指数が高いよね！

2014/03/11

読みやすく一気に読んでしまった。アウトローな生き方を
する主人公と、昔の自分を懐かしく思ったりもしながら
物語に入り込めた。ラストは何となく見えてしまったが、
こういう展開も個人的には嫌いではない。
登場人物の奥底にあるさりげない情もさりげなく出ていて
心地よかった。