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凱旋門
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凱旋門

エーリヒ・マリア・レマルク(著者), 山西英一(訳者)

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凱旋門

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ブッキング/
発売年月日 2003/12/01
JAN 9784835440712

凱旋門

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2018/08/02

宝塚のおかげで一生読むことなかったかもしれない名作に触れました。実家にあった河出の世界文学全集で小さい頃から題名だけは知っていたけど、「凱旋門」「西部戦線異状なし」ってハードボイルドな印象で、レマルクは私の趣味じゃないだろうと思ってた。けどそんなことはなかった。 「凱旋門」はゲシ...

宝塚のおかげで一生読むことなかったかもしれない名作に触れました。実家にあった河出の世界文学全集で小さい頃から題名だけは知っていたけど、「凱旋門」「西部戦線異状なし」ってハードボイルドな印象で、レマルクは私の趣味じゃないだろうと思ってた。けどそんなことはなかった。 「凱旋門」はゲシュタポに睨まれ、ドイツからパリに亡命してきた凄腕の外科医ラヴィックが、陰惨な過去と、非合法な暮らしをせざるを得ない(まっとうな生活につながるような恋愛も結婚も出来ない)現在とに囚われたまま、半分死んだようにただ生きてきたのが、ジョアンとの恋愛とゲシュタポのハーケへの復讐とで、再び命を輝かせる話。でも結局はそれもつかの間、戦争が始まり自らの意思で強制収容所へと向かっていく。この結末をいったいどう考えたらいいんだろう。収容所行きはハーケを殺した時点から決めていたようで、ジョアンの死は直接の原因ではなかったように感じた。もう一人の女性ケートもがんを抱えたままアメリカへ帰るのだが、そういうことが重なったせいなのだろうか。 ラヴィックはすべてを冷静に分析しながら達観して見る。何人もの難しい手術を引き受け、多くの人たちの命を救うが、それは必ずしも自分の幸福とはつながっていないのが不思議だ。お針子のリュシュエンヌ、義足になったジャンノー少年、性病の検査に定期的に訪れる娼館の女性たちとのやりとりと、どれも温かい筆致で書けるエピソードだろうに、外科医的な視線なのだろうか、淡々と綴られ、私はこれをほほえましい気持ちで受け止めればいいのか、どうなのか良くわからないまま読み進めた。人々の単なる人生模様を描いているとするにはあまりにもラヴィック先生は面倒見がいいから、本心は温かい人なのではないかなと考えてしまう。ジョアンとの恋愛もすごく引きで見ていて、ジョアンは(読んでいる私も)それにいらだっている。でもラヴィックの本質はやはりきっとすごく感情豊かな人なのだろう、冷静で抑えた筆致が続く中で、彼の心がものすごく揺れる瞬間の描写が本当にすばらしい。ルーヴル美術館でニケを見たときのところ、訪ねてきたジョアンが戻るときに「ジョアン」と声をかけてしまうところ、ハーケを殺すところ、その後、ずっと囚われていたシビールのおびえたような目が過去の優しい思い出になって消えていくところ、そしてジョアンが死ぬ直前にお互いの母国語で話すところと胸を打つ場面がある。 ボリス・モロゾフとの関係、ヴェーヴェル先生との関係も味わい深い。モロゾフはラヴィックの父親にあたるくらいの年の差で、唯一ラヴィックを保護しようという目線で見ている人。ラヴィックは一人で何でもやってしまうから、モロゾフの態度はとても貴重だし、ラヴィックの弱さもふと感じさせてくれる。ヴェーヴェル先生は戦争なんか起きるはずがないって思ってる豊かなフランス人で、いちばん現代の読者に近い立場なんじゃないか。宣戦布告後のヴェーヴェル先生の悲嘆ぶりはだからすごく共感する。彼もラヴィックの立場を理解し、何かと世話をしてくれる。ラヴィックの暮らしはこの二人なくしては成り立たなかった。だからラヴィックはやはり孤独な冷たい人間ではないし、違った人生を生きることも出来たのかもしれないとも思う。

Posted by ブクログ

2012/09/02

この作品は、エーリッヒ・マリア・レマルクの同盟小説を映画化したものです。1944年の『ガス燈』以来、バーグマンとボワイエが再び競演しています。 第二次世界大戦勃発前の1938年。パリには亡命者があふれていました。ラヴィック(シャルル・ボワイエ)も、ナチを逃れてフランスに不法侵入し...

この作品は、エーリッヒ・マリア・レマルクの同盟小説を映画化したものです。1944年の『ガス燈』以来、バーグマンとボワイエが再び競演しています。 第二次世界大戦勃発前の1938年。パリには亡命者があふれていました。ラヴィック(シャルル・ボワイエ)も、ナチを逃れてフランスに不法侵入した一人でした。彼は旅券のないまま、非合法の手術をして生活費を稼ぐ医師でした。 ある夜ラヴィックは、自殺を図ろうとして街をさまようジョーン・マドゥ(イングリッド・バーグマン)に出会い救います。無国籍の男と、失意のどん底で喘ぐ女。何の生き甲斐もない放浪者が出逢い、ふたりの間でしだいに愛が育まれていきます。そんな折、街で事故にあった婦人を助けたことから、ラヴィックが亡命者であることが当局に知れ、彼はジョーンに別れを告げる間もなくフランスを追放されてしまいます。 3ヵ月後ラヴィックがパリに戻ってくると、孤独に耐えることができなかったジョーンは、アレックスという富豪と生活をするようになっていました。 一方ラヴィックは、かつてナチの収容所で彼に拷問を与えた男を見掛け、復讐のために奔走しはじめます。ラヴィックは収容所の拷問で、恋人をも亡くしていたのです。 生きるためにアレックスと暮らしながら、それでもラヴィックへの愛を断ち切ることができなかったジョーンは、嫉妬に狂ったアレックスに撃たれてしまいます。それは、事故でした。アレックスは彼女の愛を繋ぎとめようとして、脅しのつもりで銃を手にしたのです。 アレックスが助けを求めたのはラヴィックでした。ラヴィックはジョーンに手術を施しますが、彼女は愛した男の腕に中で息をひきとります。世の中が戦争へと向かう不穏な時代に、愛し合いながらもすれ違いを繰り返してしまったジョーンとラヴィックの心。ジョーンの最期を看取ったラヴィックは、またしても生き甲斐を失い、敵国人として自ら収容所に連行される道を選びます。 シャルル・ボワイエの醸し出す独特のムードが良いですねぇ。過去を背負った男の寂しさが、巧みに表現されていました。また美しいだけでなく、愛なしでは生きていけない女性の哀しさを、みごとに演じきったバーグマンも素晴らしかったです。

Posted by ブクログ

2010/08/12

レマルクの名作。 宝塚は東西の名作・古典を題材に舞台化することが多い。 ワタシが初めてハマった宝塚の作品。 フランス旅行後に読むとよいかも。位置関係がイメージできます。 訳がやや古いかな?で☆4つ。 でも、名作です。

Posted by ブクログ

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