日本のムスリム社会 ちくま新書

桜井啓子(著者)

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/
• 発売年月日: 2003/07/10
• JAN: 9784480061201

商品レビュー

2010/05/28

日本にも増えてきた労…

[文庫ＯＦＦ]

日本にも増えてきた労働するための外国人について。

2017/06/02

【１９３冊目】10年以上前に刊行された本なのだけれど、そのときに既に外国人ムスリムが日本でコミュニティを作っているという話。入管の統計や筆者のフィールドワークに基いて書かれた本。イラン研究者としてしか筆者のことは存じ上げなかったのだけれど、どうしてどうして。日本国内の事象についての考察は大変しっかりしている。
・これまで日本にいる外国人といえば、「国籍」あるいは「民族」による区分で語られることがほとんどだった。しかし、現在に日本にムスリムは「宗教」によって区分される、日本人にとって新しい隣人である。
・ここからも分かるとおり、「ムスリム」には外国人、第2世代、そして日本人が含まれる。
・信仰の深さやそれをどのように実践するのかは、宗派・出身国・居住地・個人の信条等様々な要素に左右されるため、ムスリムという言葉は何らかの均質的集団を指す言葉ではない。

2017/01/21

２００３年刊。日本において最も遠い宗教イスラム。が、その信仰者は世界に数多存在し、留学・求職のため来日する数は徐々に増加している。他方、宗教に寛容・無関心な一方、ムスリムの厳格な宗教的規範と日本の生活実態とはかなりの齟齬がある。本書はムスリムの日本での実態を開陳。著者は学習院女子大学教授。イスラムの骨格、六信五行に関し、結婚等非ムスリムあるいは改宗者(特に邦人)との個人の生活においては六信が、仕事等社会生活では五行が摩擦要因となっている実情が見える。もっとも、出身国による差異、個人の性格にも大きく依拠。
個人的見解だが、仕事等社会生活上、日本人との共生は可能になっても、ムスリムと非ムスリム改宗者との結婚は、それを維持し続けるのが難しいのでは、との感。食事(日本に一般に売られている肉は食べられない)と男女の行動規範(特に、一夫多妻、重婚の許容。男性からのみの離婚申出が可能など)の差は現状では埋められないように感じられたところ