ニッポン劇的大改造

亀井静香(著者)

• 販売会社／発売会社: 扶桑社/
• 発売年月日: 2003/07/10
• JAN: 9784594040031

商品レビュー

2009/10/06

権力は腐敗するにしても、まさか政権交替してスグ腐り果てることもないだろうし、そして、民主党って、たしか自民党でお山の大将になれなかった人たちが作ったんでしょうって、様々な思いに駆られながらも、期待と応援の眼差しで慎重に見てきているのに、新聞テレビは薄情・非情なもので、あくまで興味本位の揚げ足取りや、面白可笑しく演出する方法で茶化しては混ぜっ返したりで、せっかくの合目的な国民のための改革をやろうとしている彼らの、援護射撃どころか邪魔をしようとしているとしか思えなくてうんざりしています。これを機会に、何人ものキャスターや評論家やコメンテーターといわれる人に、ブレが生じたというか、化けの皮が剥がれたというか、ともかく、単なる思い付きで発言しているのか、それとも一貫したポリシーがあるのかという、しごく基本的なことが俎上に載せられ、ああ、やっぱりあの人は、とか、ええっ、まさかあの人が、とか、思いのほか当たり外れのある結果を目の当たりにして戸惑ったり愉快がったりしています。その中で、当事者のひとりではありますが、さすが亀井静香はりっぱなもので、自民党時代から一貫してこわもてでズバズバはっきりした物言いで、ものすごく解り易い人ですが、いざ民主党の真っ只中で見てみると、そ、それでいいの、と心配になってしまう場面も多々あって冷や冷やさせられて、普通なら民主党を撹乱するとんでもない奴となるところですが、でも逆にだからこそ好感が持てる貴重な存在だと思います。いままで自民党が癒着・結託してきたので、甘やかされて図に乗っていい気になってきている銀行や大企業に対して、明確に正当な発言を繰り広げてきている彼女、じゃなかった彼は、実にりっぱで見事なもので、多少とも株価が下落しようが気にせずに、堂々と中小企業や低所得労働者に対しての救済措置を推し進めてほしいと思います。少し位の保守的な部分はほとんど問題なしで、彼の根底にあるのは、自身の出自や体験してきたことからの当然の帰結でもありますが、働く人の視点に立った働く人の報われる社会を作るということなので、そのためにはマルクス経済学も教条的民主党の懐柔も、大いに活学活用して自由奔放にやってもらいたいと願っています。