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M/世界の、憂鬱な先端 文春文庫
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M/世界の、憂鬱な先端 文春文庫

吉岡忍(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 2003/01/10
JAN 9784167547035

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商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

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2022/11/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

20世紀の最後に起きた幼女連続殺害事件。犯人の名前は宮﨑勤。 当時、自分は小学生だった。事件のことはニュースで見たような記憶があるが、あまり記憶には残っていない。殺人事件の凄惨さそのものよりも、自分が通っていた小学校が「宮崎小学校」で、自分の弟の名前が「勉」だったので、学校名と弟の名前が結び付けられてこの殺人鬼と同一視されないか、苛められりしないだろうか、という、いかにも子どもらしい幼稚な心配をして、弟を守らなければ、という小学生らしく兄貴らしい感情を抱いたことのほうが、鮮明に覚えている。 この本は、宮﨑勤の精神鑑定書を丹念に読み続け、裁判にも通い、宮﨑勤の死刑が求刑された法廷に立ち会い、その後の宮崎の家族の離散についても追いかけたノンフィクション作家の一大著作。宮崎の事件から逮捕、裁判という10年以上もの月日を、一つのテーマで追い続けるというのは、並大抵の執念ではないだろう。使命感のようなものもあったのかもしれない。何が著者を突き動かしたのかは分からないが、こうした丁寧なるポタージュがあるおかげで、事件から30年近くが経った今も、この事件とこの殺人鬼の異常性、非道性を客観的に読み、知ることができる。 宮﨑の生い立ちは、若干、一般的ではない気がするが、決して「異常」と呼べるほど異質ではない。著者は取材をもとに宮﨑の幼少期から成人するまでに至る経路を辿り、どのぐらいから彼の「人間としての倫理」が外れていったのか、人格が崩れていったのかを探る。 幼女に対する殺人衝動は、ある時を境に急に生み出されたものではなかったらしい。もちろん、多重人格で精神が崩壊していると思われる宮﨑に対する検察の審問や、著者曰く「あまりの不統一、手抜き、いい加減さ、強引さに、正直言って驚いた」という「宮崎勤精神鑑定書」に基づいているので、今後も真相は誰にも分からないままだろう。何せ、宮﨑は2008年には死刑が執行されていて、当の本人がもう何も話せない状態なのである。 この本は、宮﨑勤の事件だけでは終わらない。 宮﨑の事件を追いかけるのに400ページ以上を費やした著者は、終章でさらに120ページ近くをかけ、「宮崎後の憂鬱な事件」を追いかけている。主なテーマは、神戸の酒鬼薔薇聖斗だ。この事件もまた、宮崎の事件と同様に、異常というだけでは足りないほどの凄惨さと暗さを湛えた事件だった。 なぜ、人はこれほどまでに暗く陰湿で、残虐非道と言える事件を起こすのか。著者は結論を出さない。出せるものではないのだろう。 いつか、自分が当事者や被害者になってしまうかもしれない、そこまで深く関わらないまでも、隣近所にこんな闇を抱えた人物が棲んでいるかもしれない、そんな薄気味悪さと怖さを、この本は教えてくれる。

Posted by ブクログ

2019/01/10

今年の1冊目。宮﨑勤、酒鬼薔薇聖斗をはじめとした10-30代による平成の事件を、個々の異常性、内因性ではなく「外因性」によって紐解く1冊。戦後の消費社会、陽に重きを置く時代の空気が封印したものを論じ、事件の必然性を説く。 文章に少々の癖を感じるものの、筆者の視点・思考に考えさせら...

今年の1冊目。宮﨑勤、酒鬼薔薇聖斗をはじめとした10-30代による平成の事件を、個々の異常性、内因性ではなく「外因性」によって紐解く1冊。戦後の消費社会、陽に重きを置く時代の空気が封印したものを論じ、事件の必然性を説く。 文章に少々の癖を感じるものの、筆者の視点・思考に考えさせられることが幾つかあり、改めて「個々の人間のための社会」について思考する種を得た。

Posted by ブクログ

2016/09/13

難しすぎる問題だなー。 宮﨑勤は残虐な許されない事をしたけど これを読んだら 悲しくなってくる。 どこかで誰かが救えたんじゃないかと。

Posted by ブクログ