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山口昌男著作集(2) 始原
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山口昌男著作集(2) 始原

山口昌男(著者), 今福龍太(編者)

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山口昌男著作集(2) 始原

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商品詳細

内容紹介 内容:始原
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2002/12/25
JAN 9784480751720

山口昌男著作集(2)

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商品レビュー

3.3

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2024/03/02

 1970年代から1980年代にかけて書かれた文章を集めたアンソロジー。単行本『歴史・祝祭・神話』が丸ごと入っているほか、6編の長めの論考が収録されている。 「歴史・祝祭・神話」は、歴史の記述が多く山口昌男さんの本としてはちょっとテイストがいつもと違う。あまつさえ、後半はレーニン...

 1970年代から1980年代にかけて書かれた文章を集めたアンソロジー。単行本『歴史・祝祭・神話』が丸ごと入っているほか、6編の長めの論考が収録されている。 「歴史・祝祭・神話」は、歴史の記述が多く山口昌男さんの本としてはちょっとテイストがいつもと違う。あまつさえ、後半はレーニンの後継者トロツキーやスターリンらの権力争いを記述していて、異色だ。歴史のなかに人類学的な「神話的象徴構造」を探ろうとしたもの。  私には最後の2編「周縁性の歴史学に向って」「足から見た世界」が面白かった。どちらもかつて読んだことのあるものではあるが。  特に後者は「身体における周縁」である「足」にまつわる文化を極めて広範な知識に基づいて探索していくというもので、身体各部の象徴(記号)表現が、異なる文化によって非常に違っているという点が面白い。これは傑作論考。

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2022/07/16

『歴史・祝祭・親和』(中央公論社、1974年)のほか、『人類学的思考』(せりか書房、1971年)や『道化的世界』(筑摩書房、1975年)に収録された論考六編がまとめられています。 『歴史・祝祭・神話』は、スペインの詩人ロルカやジル・ド・レ、日本の「バサラ」についての考察がなされ...

『歴史・祝祭・親和』(中央公論社、1974年)のほか、『人類学的思考』(せりか書房、1971年)や『道化的世界』(筑摩書房、1975年)に収録された論考六編がまとめられています。 『歴史・祝祭・神話』は、スペインの詩人ロルカやジル・ド・レ、日本の「バサラ」についての考察がなされる第一部と、トロツキーについて論じた第二部に分かれています。著者はトロツキーが、党の象徴的家父長であるレーニンの大義に尽くす息子の位置を占めていたという見かたに同意し、「彼には、象徴的家父長殺しの時期を経なければ、人は家父長として振舞うことができないということが真に理解できなかったように思われる」と述べて、トロツキーがスターリンに敗北した経緯についての考察をおこっています。そのうえで、ソヴィエト・ロシアにおける権力抗争を、神話論的な「ハタモノ」すなわち「犠牲」として理解しようとする試みがなされています。 このほか、ジュール・ミシュレやオクタビオ・パス、ミシェル・ド・セルトーなどの議論を参照しつつ、人類学や演劇論の視点から歴史学のありかたを問いなおす論考などが収められています。そこでは、著者自身の依拠する「中心と周縁」という枠組みによって、硬直した歴史学にあたらしい風を吹き込むことがめざされているように思われます。

Posted by ブクログ

2010/06/16

[ 内容 ] 神話の次元によらねば回復しえない人間精神の内的宇宙にたいする本質的な探求心が山口の人類学の根幹にはあった。 この、始原を「いま」に召喚しつづける想像力の原型が、近代科学の認識論における時間軸上に展開する「歴史」意識といかに切り結ぶかを考える作業に、山口の仕事の一つの...

[ 内容 ] 神話の次元によらねば回復しえない人間精神の内的宇宙にたいする本質的な探求心が山口の人類学の根幹にはあった。 この、始原を「いま」に召喚しつづける想像力の原型が、近代科学の認識論における時間軸上に展開する「歴史」意識といかに切り結ぶかを考える作業に、山口の仕事の一つの大きな部分が費やされた。 それは、過剰に「歴史化」された言説の倫理主義的性向が、思考の闊達な膂力に制動をかけているいまこそ、再読されねばならない。 この巻には、始原と現在をアクチュアルに結ぶ、歴史への詩学的アプローチをめざす傑作論考を収録する。 [ 目次 ] 歴史・祝祭・神話(鎮魂と犠牲;革命のアルケオロジー) 失われた世界の復権 歴史と身体的記憶 ミシュレあるいは歴史の宴 オクタビオ・パスと歴史の詩学 周縁性の歴史学に向って 足から見た世界 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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