虚栄の黒船 小説エンロン

黒木亮(著者)

• 販売会社／発売会社: プレジデント社/
• 発売年月日: 2002/12/24
• JAN: 9784833417679

商品レビュー

2022/09/24

ガス市場が荒れ気味のようなので、ふと20年ほど前の元祖不正取引の内容を振り返ってみようと思って読んでみた。

オフバランスのためのSPEの数が3400にも上るというのは知らなかった。経営している本人にも、もはや抱えている問題の大きさが把握不能だろう。

早めにクビになった役員や、見切りをつけた役員が、なんやかんや、ストックオプションで、数十億円の利益を得ているのは腹立たしい限りだ。

ジェフリー•スキリングの座右の銘
I.R.I.S.
First they Ignore you, then Ridicule you, then Imitate you, and then Steal your idea.
（最初に人々はお前を無視し、それから嘲笑い、やがて真似し、最後にはお前のアイデアを盗む）
が、いかにも、『俺は嫌なやつだ』と全力で主張しているようで、こんなのを頭字語とはいえ、プレートにしてデスクに飾る感性が尋常じゃない。

と、まあ、悪く書いたものの、不正の規模が大きすぎたとはいえ、電気やガスのようなコモディティのオンライントレーディングを始めたり、岩盤規制市場に自由化の風穴を開けたり、世界に貢献した面も色々あるのだろう。良くも悪くも歴史的な会社だ。

そういえば、自分が勤める会社がほんの１行だけ登場してた。

2018/09/24

エンロン事件を題材とした小説。会計の知識や当時の知識がないとわからないし、詳細を全て理解するとかなり難しいと思うが、エンロン事件を知るとっかかりとして読んでみるのはいいと思う。

2014/01/11

エンロンについては、エネルギーに関わる人間にとって、ずーっと気になるところである。
彼らの極端な拝金主義が行き過ぎであった事は事実だが、エネルギー会社の在り方として、正しい部分もあったのではないか、とも思う。
彼らがうみだした巨額の利益を消費者に還元していればどうであったか。
これからのエネルギー市場自由化が不可避な日本で参考材料として、留めておきたい。