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東京セブンローズ(下) 文春文庫
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東京セブンローズ(下) 文春文庫

井上ひさし(著者)

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東京セブンローズ(下) 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 2002/04/08
JAN 9784167111229

東京セブンローズ(下)

¥495

商品レビュー

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2024/04/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

 著者が『文藝春秋』に17年間にわたって連載した長篇小説。上巻はとても面白く読んだのだが、著者のさすがの筆力で退屈こそしなかったけれど、物語が進むにつれてだんだん不愉快になってきた。それは、読者としての自分の問題なのか、それともこの小説自体の問題なのか。    ひとまず後者として考えれば、最も違和感を覚えたのは、この小説のジェンダーの描き方。帝国日本ではなく日本語をこそ守ることを決意した「東京セブンローズ」の女性たちは、自らの性を元手に、セックス・スキャンダルの種を蒔くことで占領軍の企みを押しとどめようとする。小説では、これは彼女たち自身の計画であると強調されているが、要は若い女性たちが時分の性的な魅力を手段=道具にすることでしかない。また、それがアメリカ人男性と日本人女性という典型的なオリエンタリズムの構図の中で設計されていることも見逃せない。  上巻で戦時末期、空襲下の東京で生きた人々の大勢順応主義的な態度と内なるしたたかさとの両面を見事に描き取って見せた作者のねらいは、おそらく、戦争を起こし、推進させた日本の男たちに対する懲罰だった。そして、日本の男たちが帝国日本の植民地に日本語を押し付けたことを考えれば、占領軍が日本語をローマ字化し、日本語そのものを変えようとしたことを批判する資格はない、という主張もその通りだろう。(その証拠に、視点人物の山中信介は作中で3度も投獄されている)。  だが、敗戦後には、「女と靴下が強くなった」を地で行くような通俗的な物語世界の中で、日本の男たちは、まさに男性性を去勢させられた情けない存在として植民地主義的に描かれつつ、一方で、男性の公的な世界と女性の私的な世界とが区別されるというジェンダーの区分を根底的には維持している。つまりこの小説は、まさにさだまさしの歌がそうであるように、人当たりは良いが、ひそかな家父長制を如実に継承しているのだ。

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2012/09/15

【再読】この作品の読後感、何度でも味わいたい! 下131「母國語なんですよ。その言葉で通信文を書いて生計を立て、戀文を書いて所帶を持ち、友だちに手紙を書いて友情を深め、遺言を書いて子に後事を托すわけでせう。一生使ふ言葉ぢやないですか。その大事な言葉に漢字があるから面倒だなんてず...

【再読】この作品の読後感、何度でも味わいたい! 下131「母國語なんですよ。その言葉で通信文を書いて生計を立て、戀文を書いて所帶を持ち、友だちに手紙を書いて友情を深め、遺言を書いて子に後事を托すわけでせう。一生使ふ言葉ぢやないですか。その大事な言葉に漢字があるから面倒だなんてずいぶん罰當りだと思ふな」 終始、旧字旧かなで綴られる戦中戦後の東京を生きる男の日記。 戦争の描写が生々しい、でも非日常の中の日常は決して悲観だけではないので救われる。 そして戦後のローマ字化計画と日本語禁止。 戦争を起こした大人の男達の戦後は…それに失望した子供達の選択、女達の復讐とは… とにかく読みにくい。でもそれがいい。

Posted by ブクログ

2012/01/28

東京セブンローズを読了しました。まぁ驚くくらいに面白かった。ちょっと簡単に説明できないけど、今、まさに僕が読むべき本でした。 いろいろ考えた末Facebookは止めてしまったけど、あの拙い僕の読書感想に、間髪いれず「美しい日本語」ならと、この本を推薦してくれた鈴木君のの読書経歴...

東京セブンローズを読了しました。まぁ驚くくらいに面白かった。ちょっと簡単に説明できないけど、今、まさに僕が読むべき本でした。 いろいろ考えた末Facebookは止めてしまったけど、あの拙い僕の読書感想に、間髪いれず「美しい日本語」ならと、この本を推薦してくれた鈴木君のの読書経歴に敬服します。 推薦してくれたタイミングから考えると大分遅れてしまったけど、人に紹介してもらった本は必ず読むので、その待ち行列長く、今頃になってしまった。推薦してくれた本人は忘れた頃かもしれないが。僕の読書空間から考えると、恐らく君の推薦無くば、読まずに死んだと思う。読めて良かったよ。 改めて感謝。ありがとう。

Posted by ブクログ

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