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ソ連・ロシアの核戦略形成
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ソ連・ロシアの核戦略形成

仙洞田潤子(著者)

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ソ連・ロシアの核戦略形成

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 慶應義塾大学出版会
発売年月日 2002/04/15
JAN 9784766409024

ソ連・ロシアの核戦略形成

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2011/06/05

著者は杏林大学大学院国際協力研究科で博士号を取得した人物で、本書はその時の博士号論文に修正を加えたものです。 内容は、スターリン末期からプーチン初期まで、「ソ連・ロシアが核兵器にどの様に向き合ってきたか」をソ連・ロシアにおける軍事ドクトリンの構築過程を通して分析したものです。 ...

著者は杏林大学大学院国際協力研究科で博士号を取得した人物で、本書はその時の博士号論文に修正を加えたものです。 内容は、スターリン末期からプーチン初期まで、「ソ連・ロシアが核兵器にどの様に向き合ってきたか」をソ連・ロシアにおける軍事ドクトリンの構築過程を通して分析したものです。 #尚、ソ連・ロシアにおける軍事ドクトリンとは、欧米のそれ(戦争のやり方を記載した物)の範疇を超え、軍事のみならず社会体制構築方針や外交指針を含めた総合的な国家戦略との事。 具体的には、 大規模な陸軍を重視したスターリン時代から、核戦力を重視してアメリカと対等な立場を築こうとしたフルシチョフ時代への変化。 フルシチョフ失脚後、大規模な陸軍の重視路線へと戻ったソ連の軍事ドクトリンだったが、ソ連崩壊後の国力の衰退により、捨てれるものは全て捨て、軍事的必要性と費用対効果の徹底によって、大規模な陸軍の放棄、核戦力への重点投資を図る。 加えて、ロシアにとって後背地である中国との関係改善を行い、国力を欧州正面へと集中するとともにチェチェン問題などに対応。 また、中国の経済力を利用して国力回復を図りつつ、プーチン政権の初期では、アメリカと対等な核戦力構築(つまり、アメリカを攻撃できる戦略核の充実)を放棄し、対ヨーロッパ、対日本の戦術核を重視する方針への変更。 と言ったソ連・ロシアの軍事ドクトリン/核戦略の歴史的推移が解説されていました。 この他にも、 ロシアはソ連崩壊によって失われた大国の地位への回帰を願っており、アメリカとの核軍縮や中国との関係改善を進め、その間に国力の回復をはかり、その後の核戦力など軍事力の再建を図っており、この様な行動はソ連時代からの伝統的な行動であるとの指摘や、 ロシアと中国は互いに相手をカードにして、アメリカに対する自国の立場の強化を図っていると言った内容などが書かれており、中々興味深い内容でした。 本書を読んでみて、プーチン政権下における資源外交の成功や経済成長。 そして、最近の北方領土への最新鋭強襲揚陸艦の配備方針と北方領土の基地強化と言ったロシアの動きを見つめ直してみると、 「欧州正面やチェチェン問題などを十分に処理できると自信を深めたロシアの極東回帰が始まったのか」と言った考えも浮かんできます。 本書は2002年に出版されており、プーチンからメドベージェフと言った最近のロシアに対する分析は載っておりません。 しかし、ソ連時代を含めたロシアの歴史に対する分析を行っており、最近のロシアの動きやロシアの行動指針に対する理解が深まるのではないでしょうか。 その様な意味において、今でも十分に役立つ内容となっています。 ロシアに興味があれば一読をお勧めします。

Posted by ブクログ

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