静岡県は大丈夫か？ 静岡空港は東海地震は浜岡原発は太田川ダムは財政再建は情報公開は

水野誠一(著者)

• 販売会社／発売会社: 野草社/新泉社
• 発売年月日: 2002/03/01
• JAN: 9784787702814

商品レビュー

2019/03/03

「こんなタイトルの本があって良いの！？」と思い、おもわず買ってしまった。

※この本の著者は２００１年の県知事選挙で落選した人ですが、負け惜しみで本を書いているわけではなく、静岡県のことを案じて書いている。

静岡県について、この本では、「気候が温暖で経済的に豊か。」「県民は保守的で変化を好まない。」「都市部から農漁村まで、商業・工業・林業・農業がバランス良く、まるで日本の縮図のよう。」と記している。

どれも適切だと思う。
でも、静岡県民にはハングリー精神がない、危機意識がない。とも言っている。

そこまで言わなくても・・・と思いながら、読んでみたが、もう読めば読むほど、知らなかった静岡県の実態が見えてきて、あ然とした。
静岡空港に浜岡原発、大地震という物的リスクだけでなく、県の財政・情報公開などなど、静岡県が抱える問題がこんなに多いのかと驚いた。

静岡空港は牧の原台地という有名な茶畑を潰して今、建設が着工されている。高台にあるから霧が多く、離着陸が困難になることが予想されている上、一帯への環境影響は言うまでもない。
空港建設予定地では、土地の買収が完了しておらず、周辺住民とは今でも訴訟が続いている。
２月には抗議の焼身自殺を図った人もいたとのこと。今回初めて知った。
また、静岡空港の建設予算は１９００億円。でも、実際には３０００億円はかかると見込まれている。

温厚な顔をした人の良さそうな石川県知事だけど、「静岡県には高速道路も高速鉄道もあります。これに空港が揃えば、三種の神器が揃うのです」と言ったことがあるらしい。
こんなリスクアセットもリスクマネジメントもできない人間がトップにいるなんて恐ろしい。
著者が言うことは間違いではなかった。