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シュニトケとの対話
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 春秋社/ |
発売年月日 | 2002/02/22 |
JAN | 9784393934661 |
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シュニトケとの対話
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ぼくはこのシュニトケという作曲家の音楽を、1970年代から聴いているが、最初からえらく衝撃を受けた。最初にディスクに登場したのは、ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタにカップリングされた《ショスタコーヴィチ追悼の前奏曲》と、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のシュニトケ作の...
ぼくはこのシュニトケという作曲家の音楽を、1970年代から聴いているが、最初からえらく衝撃を受けた。最初にディスクに登場したのは、ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタにカップリングされた《ショスタコーヴィチ追悼の前奏曲》と、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のシュニトケ作のカデンツァだったが、それらを紹介したギドン・クレーメルがピアノ五重奏曲とヴァイオリン協奏曲第2番のLPを出した。無調的語法に食い込むワルツなどの伝統的音楽といったピアノ五重奏曲には心底、目眩を覚えたものだ。 当時は前衛音楽が行き詰まりを明らかにしていた時期で、音楽後進国と目されていたソヴィエトから、シュニトケやグバイドゥーリナなどの音楽が驚嘆を持って「西側」に迎えられたのだ。クレーメルの熱心な紹介により、その後、次第に多くの有名演奏家が取り上げていくようになるが、1980年代前半はまだまだ録音は多くなく、シュニトケのレコードを血眼になって探したものだ。交響曲第2番の広告を見て、お茶の水の新世界レコード社に駆けつけたが手に入らなかった痛い思い出がある。思いがけず見つけたレオナルド四重奏団による弦楽四重奏曲第2番にはまたもや目眩を覚えるほど感動した。 そうこうするうちにシュニトケが脳卒中に倒れたとか、リハビリしてまた作曲しているとか、乏しい情報が伝わってくる。確かにぼくはシュニトケと同時代を生きたのだ。 やがて彼の主要な作品はほとんど聴けるようになったが、その生涯などについて包括的に書かれた文献はなかった。仕方がないからPhaidon Pressのシュニトケ伝を買った。チェリストのイヴァシキンによる英語の本である。本書はそのイヴァシキンがシュニトケにインタヴューした本で、シュニトケ伝のネタになっているのだろう。そういう意味ではこちらのほうが一次資料だ。翻訳者の秋元氏はPhaidonのシュニトケ伝を訳そうとしたが版権がとれずに、このインタヴュー本のほうを訳したのだそうだ。 ロシアに住むユダヤ系ドイツ人という複雑な生い立ちから始まる人生や文化のこと、シュニトケの音楽美学にまつわる話題、ショスタコーヴィチはじめ同時代の人々の逸話、「西側」との遭遇、ソヴィエトの崩壊や東西ドイツの統一など晩年の社会変化など話題は多岐に及び、シュニトケに関心がある人はもちろん、20世紀ソヴィエト・ロシア史に関心のある人にもお勧めである。原書が出たのがシュニトケの死の2年前。没後に訳された本書では作品表も増補されているが、それも今となっては若干の不備があるのは致し方ない。 没後十五年をすぎて、往事のシュニトケ熱の冷めた今、本書を読んでシュニトケの音楽に興味を持ってくれる人がいれば嬉しいことである。
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