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多情剣客無情剣(上) 海外シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 2002/02/10 |
JAN | 9784047913929 |
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多情剣客無情剣(上)
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商品レビュー
4.6
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
池波正太郎の作品のような、市井に生きる剣豪の話かと思いきや、山田風太郎のようなトンデモ武侠小説でした。 何しろ冒頭50ページを読んだだけで、何人の腕に覚えのあるものが登場しては亡骸をさらしたことか。 主人公は李尋歓(りじんかん)。 代々科挙を好成績で合格する名門の出身で、なおかつ武芸の達人。 幼馴染の林詩音(りんしおん)と相思相愛であったものの、親友の龍嘯雲(りゅうしゅううん)が彼女に思いを寄せていることから身を引き、ついでに家まで譲り、無頼の旅に出…たらしい。 現在は、明日をも知れぬ肺病病みであるが、さくっと2年を生き延びてるし、信じられないくらいの大酒のみである。 そして、超が付くほどの巻き込まれ体質。 本人はひっそりと大酒かっくらって死にたいと思っているのだろうけれど、次々に事件に巻き込まれ、雨後の筍のように敵が現れ、自分のためには剣を振るわないので窮地に陥るけれど、決して逃げないし、無理に戦うこともない。 剣を振るう…と書いたけれど、彼の主たる武器は飛刀。 誰の目にも止まらないくらい素早く、そして百発百中で命中させる腕を持つ。 だからストーリーは…よくわからない。 展開が早すぎて、今、誰となんのために戦っているのか、しばしば分からなくなる。 帯に馳星周が書いた「なんとでたらめな、なんと行き当たりばったりな――そうつぶやきつつ、ページをめくる手はとまらない」が全て。
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次々と新しい展開が起こり、戦闘も絶えず、登場人物もめまぐるしく出てくるんだけど、主人公の気質や寂寥感が基軸になっているので全体の雰囲気が静か。でも緊張感があって引き込まれる。湿っぽくなりそうなところを、しっとり引き締めているところが好き。
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小李飛刀にし損じなし! 李尋歓には、あとはどこに行けば会えますか。この人この話にしか出てこないんですか。この本を開かないとこの人に会えないんですか。ううう、なんと切ない……。 ――いやー、かっこよかった! 以前に読んだ、「漂泊のヒーロー」にちらっと紹介されていて、私好み...
小李飛刀にし損じなし! 李尋歓には、あとはどこに行けば会えますか。この人この話にしか出てこないんですか。この本を開かないとこの人に会えないんですか。ううう、なんと切ない……。 ――いやー、かっこよかった! 以前に読んだ、「漂泊のヒーロー」にちらっと紹介されていて、私好みの気配がしたので借りてきたのですが、ツボすぎました。ホント真の漢だ、李尋歓。 元エリートで体壊していて女にもてもて、そして暗い過去を背負っているという、いわゆる『斜めに構える』タイプの主人公。ですが、義と友情にめちゃめちゃ篤く、そしてちょうど良いさじ加減に女々しいです(笑) 北斗の拳的なかっこよさなのかなー、これは。 もう一人の阿飛も張るくらいいい子で、お話の中盤~終盤手前までややへたれ気味なのですが、へたれる姿もサマになっている。 悪役もいい味出してるし、キャラ語りを始めると終わりがありません。 ストーリーそのものの方は、はっきり言ってないに等しい。 いちお、行方不明の宝とか、盗賊の正体とか、登場人物と登場人物をつなげるためのエピソードはあるのですが、ホントに『登場人物を繋げるため』だけに存在するファクターというか。 ただ、一つ一つに拘泥する間もなくテンポよく話は進むので、展開面はあまり気になりませんでした。むしろこの話はストーリーを読むのではなく、侠客たちの“生き様”を堪能する本。女性もかっこ良いです。悪女も筋の通った悪がある。
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