“シンプル"という贈りもの アーミシュの暮らしから クロニクル・ブックス

ビルコールマン(著者), 青山南(訳者)

• 販売会社／発売会社: フレックスフォーム/
• 発売年月日: 2002/05/10
• JAN: 9784938778460

商品レビュー

2013/02/09

2002年発表。

アーミッシュ(アーミシュ)と呼ばれる人々を御存知ですか？

アーミッシュとは
米・オハイオ州とペンシルバニア州を中心に
車・TV・電気・ガスなど文明の利器を使わず
皆が助け合う
シンプルな暮らしを
300年にも渡って維持してきた
キリスト教再洗礼派の共同体のこと。

自分が彼らの存在を知ったのは
ハリソン・フォード主演の名作映画
『刑事ジョン・ブック 目撃者』を観たことからでした。

馬車を使い
決まった色と素材の
質素な衣装に身を包み、
農業や手工芸で自給自足の生活を行う
17世紀の頃そのままの
素朴で原始的な暮らし。

だけども都会に住む誰よりも自由で
凛としていて
自分の目には
本当に美しく気高く思えて、

まだ学生だった自分には
スゴく新鮮な衝撃でした。
(ハリソン君と「トップ・ガン」のケリー・マクギリスの好演も大きい)

本書は
そんな世間とは距離を置いて暮らす、
アーミッシュの人々の暮らしを
25年以上にも渡って撮影し続けてきた
写真家ビル・コールマンによる
集大成とも言える
温かく美しい写真集です。

農場を横切る馬車、

キルトにいそしむ女性、

遊びに熱中する子どもたち。

ゆったりと流れていく時間。

争いを嫌い欲に溺れず、
家族で助け合う
自足する生き方は

贅沢を嫌い
謙虚さや慎ましさを美徳としてきた
はるか昔の日本人の生き方にもどこか重なり
彼らの生き生きとした写真を眺めていると
郷愁さえ覚えます。

アーミッシュは
来訪者を拒まないし、
子供たちにも
生き方を強制するのではなく
成人すると
今後アーミッシュとして生きるかどうかを
自分で選択できる点も
共感できるんですよね。
(特筆すべきは、伝統を忠実に守りながらも、一般住民とも共存している点。
カルト教団のように強制をしたり
閉ざしたりはしないのです)

文明社会に生きる自分たちが
失ったもの。

本当に大切なものってなんなんだろ。

幸せとは物質を得ることではなく
心の在り方だと言う
アーミッシュたちの生き方から
学ぶべきことは
沢山あると思います。

2011/07/12

　アーミシュという、キリスト教の聖書の教えに忠実に生活しようとする人々の存在は、あとがきの青山南氏の解説にあるように、映画『刑事ジョン・ブック』で知った。電気と車を使わず、従ってその風景はアスファルトも電線も映っていない。大人たちは、写真を嫌うとのことで、遠景に写るか後ろ姿だ。美しい風景と共に写るのは、子どもたちの笑顔がほとんど。小さな子どもたちは、おそろいの衣装で、外でもはだしで生活している。宗教的な理想を求めての環境ゆえ、天国のたたずまいだ。我々の生活からは想像ができないが、神とともにあれば、喜びの中にあって生きているのでしょう。我々の醜い環境と殺伐とした精神生活を見つめ直すには、この写真集はとてもふさわしい。

2009/12/07

とっても可愛い…！
自由に気取らずに楽しそうに笑っている子供たちが愛しかったです。
手元に置いておきたいなぁ。