灘中の数学学習法 生活人新書

庄義和(著者), 幸田芳則(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会/
• 発売年月日: 2002/04/08
• JAN: 9784140880272

商品レビュー

2023/01/03

灘の伝説の国語教師・橋本武は「遊ぶように学ぶ授業」で生徒の探究心に火をつけた。
では、数学はどうか。数学も独特の教え方があるのか。その辺りを知りたくて本書を読んだ。
結論から言うと、「数学の面白さを教える授業」を展開していると思った。具体的には、
・証明の多様さ
・幾何のひらめき
・論理的な考え方
を教えることで、総合的な数学力を養成することに成功している。
また、前提として、中高持ち上がりの６年間を一人の教師が責任を持って担当する仕組みが大きい。自分で選んだ教材で、自分が良いと思う授業を展開できるのだ。
エリート校だけに進度は速い。しかし、ついてこれない生徒を引き上げる仕組みと、螺旋的に復習をさせる設計も優れている。
さすがは灘。数学もよく練られた教授法だった。

2017/01/08

2002年刊行。日本最難関私立中学の一つ灘中学での数学の授業内容の一部を切り取って提示したもの。２年生で高校カリキュラムに入るというのも驚きだが、１年生の｢補助線｣、３年生の｢三角形｣｢ゲーム｣など本当に中学生でするのかと感じた。また、３年生の課題に｢心は孤独な数学者｣(藤原正彦著)の感想文(1200字)があるというのも、溜め息が出るばかり。

2012/11/23

全国から秀才や天才が集まる中学でも結局数学の学習法というのは「試験→訂正→再試験」の繰り返しなのかな、と感じた。しかし学校単位で授業の時間割の中に「確認テスト」の時間が割り振られているのはちょっと特別だね。

序盤で紹介されていた「天才テスト」はちょっとおもしろかったな。