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「都」の成立 飛鳥京から平安京へ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平凡社/ |
発売年月日 | 2002/02/25 |
JAN | 9784582475081 |
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「都」の成立
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは、京都橘大学で行われた市民講演をそのまま書面にしたような本で、雑談まですべて活字になっています。 まとまってなくて読みづらいかとも思ったけど、かえって講演を聴いたような気分になってよかったです! 以下面白かったところをまとめておきます。 (あくまでも私が興味をそそられたところだから、主題から逸れた部分も多々ありますが。。) 飛鳥京とその時代 日本の仏教は、病気平癒や長寿など生きている人の現世利益のためのものであるのに対し、韓国では亡くなった父母のためのものである。 仏教は韓国から伝来されたのに、古代日本と韓国の考え方や文化の違いがみてとれる。 韓国と日本では下地が違うんでしょうね、その違いの説明もあればよかったのに~ あらわれた巨大都市(藤原京とその時代) 平城京から平安京へ 飛鳥の都は百済を意識している?! →渡来人が故郷を思って望郷の念にかられないよう、同じような環境に都を作った説 →当時百済は高句麗や新羅に攻められており、都を守るために盆地に都を形成(統一新羅を手本に(長安ではない!!)→日本は直ちに攻められる情勢ではなかったが危機を感じそれを真似した説 だから藤原京は畝傍山・香具山・耳成山に囲まれている。平城京→西に垂仁天皇陵・北端に平城天皇陵・東に杉山古墳がある。 京の都は綿密な都市計画がなされている →碁盤の目のような町を作っているが平城京は地割優先、つまり道路優先に、平安京は土地面積優先で都市計画が立てられている。 →平城京は東漢氏がつくり(朝鮮からの渡来人)、平城京は和気清麻呂がつくる→外国の模倣ではなく、日本独自の都市計画を考えていた。 遷都の理由とか都城の理念とかにはとっても興味があるので、こんな話が聞けてよかった! 貴族の生活と心情 律令制の官位は30階級九位まで 一位から三位までを貴、四位と五位を通貴(貴族に準じる)という。正一位、従一位、正二位・・・・従三位、四位と五位はそれに上下がつく。 祖父や父が五位以上だと息子は中級の官位から(五位くらい?!)スタートできる。しかも21歳から。 大学を首席で卒業しても、親の蔭位がなければ従八位下からスタート。しかも25歳から。 下位の役人は、出世のために三位以上の家に奉公する場合が多い(別当という。本来の仕事と兼務) 複数の家の別当になることも可能 恥ずかしながら、今まで官位のこときっちり知らなかったのです・・・今回キレイに整理できてすっきり。 天皇陵のゆくえ 天皇陵が古墳の形式をとるのは文武天皇まで(ただし彼は火葬) 文武のあとの元明・元正天皇は火葬&古墳の禁止を遺言する。古墳から山丘型陵墓へ→天皇の権力を墓によって示しても意味がない。また、当時の唐の天皇陵が小規模になっていることからその影響を受けたと思われる。 その後嵯峨・淳和天皇はさらに薄葬を遺言し、御陵も禁止にする。→臣下は国の先祖を奉るためのいちばん大事な宗教施設である天皇陵を築かないとなにを仰げはいいかわからないといって反対されるが強行→その後仁明天皇は山稜祭祀の否定が出来ず、天皇陵を復活 仁明天皇は御陵に寺をつけた。→陵寺のはじまり。その後だんだん御陵は小規模になり、陵寺で供養を行うことが重要視されはじめる。 のちの後一条天皇は火葬し、浄土寺に安置。何年か後に菩提寺院をたて祀る。→火葬塚が陵寺に変わり、御堂が天皇陵になる。常塔式御陵のはじまり。その後後白河天皇の陵は御堂の中に木像を安置→生前の天皇を偲べるようにした。 その後古墳形式に戻るのは、実は近代!孝明・明治・大正・昭和天皇は大きな円墳のスタイルでつくられている。 あいかわらず、宮内庁と研究者の間では軋轢が絶えないなーという印象。 古墳の研究と称して天皇の墓を暴くのは畏れ多いという宮内庁の気持ちも分かるけど、正確な歴史を考える上で発掘調査はやっぱり欠かせないと思うので、私は研究者に一票! それにしても、天皇陵について整理された本を読んだのは初めてです! 古墳→山丘型陵墓→常塔式御陵と変化していくさまは、時代背景に沿っていてとても面白かった。 そして、近代は円墳が「復活」し、現在もその慣わしが続いているとは知らなかった。。。最近今上帝が御陵地の確保について国民に負担をかけることのないようにと気に掛けておいでだとの報道がありました。歴史的に見ると葬儀について遺言することは珍しくはないみたいですけど、御陵問題ははるか昔から大きくて大切な問題なんですね。。今回はじめて深く理解しました。 今回この章が一番の収穫です♪
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1999年度に京都橘大学でおこなわれた講演をもとにしている。高校大学できっちりと日本史を学んでこなかった小生にはへぇと感心してしまう内容だった。 教科書にでてこない古代史が勉強できます。
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