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開国日本と横浜中華街 あじあブックス45
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開国日本と横浜中華街 あじあブックス45

西川武臣(著者), 伊藤泉美(著者)

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開国日本と横浜中華街 あじあブックス45

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大修館書店
発売年月日 2002/10/10
JAN 9784469231861

開国日本と横浜中華街

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商品レビュー

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2023/12/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

"無国籍”を読んで横浜中華街の雰囲気を再度知りたくなったので読了。 しかしながらタイトルに横浜中華街とあるわりには、比重は重くなく、どちらかというと横浜の歴史と中国人といったところか。様々な現存する資料から、横浜にいた中国人がどんなことを考えていたか、日本人が彼らに対してどう接していたかについて描かれているイメージ。興味深いといえば興味深いが、少し期待とは違った。 文中でイギリス・フランスの要求に応じ、一八六〇年までに馬を2000頭輸出したとあるが、日本にもそんなに馬がいたのかと思うと驚く。 東京大学資料編集所の「幕末外国関係文書附録」に収録されていると言う羅森の「日本日記」読んでみたい。 P.83 洋館、ペンキ塗装、西洋家具、ピアノ、英字新聞、洋服、レモネードなどである。これらの新しい文物やそれをつくる技術は、西洋人がもたらしたと同時に、実は中国人が伝えたものである。 居住地の整備が進み、外国商館を建てることが必要となってきたが、幕末の日本では西洋建築の技術を習得した大工はいなかった。そうしたところへ、中国人の大工、塗装工、レンガ工、ブリキ工といった職人がやってきたのである。彼らはすでに香港や上海で西洋近代建築に携わった経験をもち、そこで身につけた技術をたずさえて横浜に渡ってきたのである。 P.86 一八七七年一一月一〇日、横浜を代表する日刊新聞「横浜毎日新聞」は、東洋人と西洋人の関係について社説を掲載した。(中略)中国人に関する問題については、日本人一般の「中国人観」を示している。たとえば、社説では、江戸時代までの日本人が中国に対し尊敬の念を抱いていたと指摘している。また、江戸時代の日本人は、中国人から「夷狄」と呼ばれることをを甘受していたとある。しかし、横浜開港わずか二〇年で、こうした状況は一変し、現在では日本人が中国人を「夷狄」として見ていると述べている。 P.97(連れてこられた中国人労働者が困窮したりしてる状況を見て) 中国人には経済力があり、「文化人」が多いと考えていた日本人にとって、日本人と同様、生活に苦しむ中国人の姿は、大きな驚きであったに違いない。一八六〇年代後半になって、横浜の人々は、中国人を「豊かな西洋」の対極にある「貧しい民族」であると認識するようになった。 P.102 当時の新聞は、個人が起こす犯罪を、その個人が属する集団や「国民」の責任であるかのように報道したわけだが、こうした風潮は現在にも通じるものがある。 P.190 朝鮮において日本軍が軍事行動を活発化させ始めた頃、横浜近郊のある村(現在、横浜市金沢区)に、戦時下の村の様子を日記に記し始めた人物がいた。この人物は布川悦五郎という小学校の教師で、二十代半ばの青年であった。彼の日記に戦争の記事が頻繁に登場するようになるのは、一八九四(明治二七)年の一〇月にはいってからであった。新聞などでは、七月頃から日本軍の出兵が話題になっていたが、日記を見る限り、人々が戦争への関心を強めたのは一〇月初旬のことであった。これは、九月中旬に、日本軍が平壌会戦で清国軍を破ったことにより、人々の戦争に対する関心がしだいに高まったことが原因かもしれない。 また、一〇月二一日の記事には、東京の博文館から『日清戦争実記』を取ることになったと記されているから、一〇月中旬に至り、人々の戦争への関心が一層強くなり、より多くの情報を求めるようになったといえる。(中略)一〇月二十八日に軍資金一円を政府に献納したと記し、一〇月下旬から村人が戦争遂行に積極的に協力するようになった様子を伺うことができる。さらに、一一月に入ると、戦争の記事が日記のかなりの部分を占めるようになり、新聞や雑誌などから知った戦況が詳細に記されるようになった。(中略) 以前に悦五郎が、どれほど朝鮮問題に関心を寄せていたのかは分からないが、日記を見る限りほとんど関心を払わなかったと思われる。こうした人物が、わずか数ヶ月の間に日本軍の勝敗に一喜一憂するようになったことは驚きである。

Posted by ブクログ

2015/03/23

開国から日清・日露戦争を経て条約改正に至るまでの時代を、横濱居留地の変遷を軸に描く。開国といえば欧米列強に日本を開くというイメージが強いが、実はそこに欧米諸国と日本の貿易実務を仲介した中国人(「買弁」)の存在があった。この「買弁」の立場が時代によって大きくかわっていくわけだが、そ...

開国から日清・日露戦争を経て条約改正に至るまでの時代を、横濱居留地の変遷を軸に描く。開国といえば欧米列強に日本を開くというイメージが強いが、実はそこに欧米諸国と日本の貿易実務を仲介した中国人(「買弁」)の存在があった。この「買弁」の立場が時代によって大きくかわっていくわけだが、それらが具体的に描かれておりおもしろい。また、現在の横浜中華街の成り立ちも具体的な歴史的展開の中で理解できるようになっている。文章は読みやすく図版も豊富。一般読者への配慮が行き届いた良書である。

Posted by ブクログ

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