原子力と日本病

村田光平(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞社/
• 発売年月日: 2002/06/30
• JAN: 9784021000652

商品レビュー

2013/02/16

本書のロジックは以下；

A.原子力は危ない
B.日本人はリスク管理が下手であり、問題が発生しないと真剣に考えない。考えても、何も解決しない。権力主義的で長いものには巻かれろ的な人種

という２つの「正しいとおもわれる事実」ら、例えば環境問題Cに対して、問題の原因はB（ダイオキシンは危ないと思うが使うのは致し方ないとか、地球温暖化のために石油の消費を減らさないといけないが、原子力は危ないし・・・という感情（日本人特有というわけではないと思うが・・・））という根拠を持ちだして、結局Aだという、意味不明な論理！

A→B
（原子力は安全ではないが、日本人は見て見ぬふりをしたという論理（なんとなく正しいように思える！））

C→B
（環境問題も日本人特有の感情や心情が引き起こしている）

故にA⇔C
（日本人は危ないと思っているが見て見ぬふり＝原子力と同じ構造だ＝原子力は危ない）

という論理構成。必要条件と十分条件という以前の問題だと思うけれど、何も考えないで読むとフムフムと納得してしまう。。。

著者自身が日本病です。
こんな、浅はかな議論をしてほしくないと思うのです。

2011/06/20

日本病って何のことか興味を持ちました。

　責任感，正義感および倫理観の欠如。三かんの欠如
　問題を隠蔽する
　問題を先送りする
　だれも責任を取ろうとしない
たしかに言われてみれば，そうかもしれないと思いました。
本書のよいところは，批判で終わるのではなく，
「日本固有の美点と可能性」について言及しているところです。

浮世絵や萬画，アニメに至る，日本の美をもっと強調してもいいかもしれないと思いました。
美を強調ないで，病気だけを強調する書籍にはうんざりしていたので，本書はよいところに目をつけていると思いました。