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なにも見ていない 名画をめぐる六つの冒険
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2002/10/10 |
JAN | 9784560038871 |
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なにも見ていない
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商品レビュー
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美術史や図像学が見て見ぬふりを決め込んでいる高尚な絵画の下世話な世界を、あえて虚実の境界を踏み越えて面白おかしく語ったひねくれ者の美術談義。 コッサの「受胎告知」の上を這うカタツムリの考察と、ブリューゲルの「東方三賢王」のバルタザールが見つめているモノの話が特に面白かった。イ...
美術史や図像学が見て見ぬふりを決め込んでいる高尚な絵画の下世話な世界を、あえて虚実の境界を踏み越えて面白おかしく語ったひねくれ者の美術談義。 コッサの「受胎告知」の上を這うカタツムリの考察と、ブリューゲルの「東方三賢王」のバルタザールが見つめているモノの話が特に面白かった。イエスの包皮、『眠れない夜に思う、憧れの女たち』にもでてきたので驚いたし、受肉をめぐる超重要な聖遺物で笑った。まぁ言われればそうか。宮下訳の上手さもあって、「このおっさんが言うことは話半分で聞いといたほうがよさそうだぞ」という怪しさがむしろ魅力になってするする読み進めてしまう。 はじめは西洋画に権威を感じる層が無視している画題の下世話さ、裸婦画を高尚に語ろうとする違和感を指摘していくのかなと思って読んでいたのだが、話は次第に絵画というものの核心に迫っていく。存在しないはずのもの、時間、情景を描くこと。〈描けない〉ということを描いて表現すること。「ラス・メニーナス」をめぐる最終章の語りで明らかになるのは、そうして果敢にキャンバスに挑んできた画家たちへの著者の深いリスペクトだ。 だからこそ、絵を見る前に既存の解釈に安住し、図像学のパッチワークじみた答え合わせをして満足する鑑賞者に描かれているものを見ろ!と言うのだろう。そこには性欲にまつわる人間の滑稽さ、まぬけさも写し取られているけれど、そんな自分の姿を客観視するために絵画を見て笑い飛ばすことを思いついたのもまた人間なのだ。
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例えば、フランチェスコ・コッサの《受胎告知》の神聖な場面に大きなでんでん虫が目ん玉ピンと突き出して這ってるのは何故?または、「民衆生活におけるシェイクスピア」と呼ばれた彼が《東方三賢王の礼拝》の王者たる者を、ボサボサ髪で歯抜けのボケ老人に描いてるのは「こっけいなブリューゲル」ゆえ...
例えば、フランチェスコ・コッサの《受胎告知》の神聖な場面に大きなでんでん虫が目ん玉ピンと突き出して這ってるのは何故?または、「民衆生活におけるシェイクスピア」と呼ばれた彼が《東方三賢王の礼拝》の王者たる者を、ボサボサ髪で歯抜けのボケ老人に描いてるのは「こっけいなブリューゲル」ゆえのこと? こんな素朴な疑問から、絵画に隠された謎の解読へと私達を誘ってくれるのが、本書。そこに込められた遠近法や図像学を紐解き、さらには聖書解釈学へと知の探検はすすみ、絵画表現の無限の可能性に気づかされる。そして、行きつくところ…On n'y voit rien, とは!? 絵のなかに具現化されたモチーフを理解すること。それは「見えること」と「見えないこと」のせめぎ合い。これぞ絵解きの原点ということ。 西洋絵画の見方が変わります!
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常々「なぜ学術情報はみんな論文から発信されなきゃならんのか」とフシギに思っていた私にはぴったり。今美術史で何がおこっているのか知りたい人の準入門書、ギンスブルクやヴァールブルクに疲れた人の箸休めとしても。訳者さんは『ガルガンチュア〜』で有名な宮下さん
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