稲本潤一足跡

稲本潤一担当記者グループ(編者)

• 販売会社／発売会社: ラインブックス/
• 発売年月日: 2002/08/10
• JAN: 9784898091050

商品レビュー

2012/12/18

「稲本潤一 足跡」
2000年、シドニー五輪出場。2001年、イングランド上陸。2002年、日本サッカー悲願のＷ杯初勝利と16強に主力として貢献。そして、フルハムへ。

「稲本潤一 足跡」は、稲本選手の幼少時代から、Jリーグデビュー、アーセナル移籍、日韓W杯まで、を扱っています。書き手は稲本潤一担当記者グループ。なので、自伝では、当然無いですが、稲本選手がどういう幼少時代を過ごしたのか、アーセナル時代は、どうサッカーに向き合ったのか、そして、年代で活躍してきた日本代表をどう捉えていたのかなどを少し触るには、まぁ、良い気がします。

しかし、私個人の感想としては、所々？が多かったですね。まず、文法や語彙、誤植ミスと思われる部分が多く見受けられます。

次に、同じ内容が多すぎる気もしました。例えば、幼少時代、稲本（イナ）選手が、おとなしくて、女の子と話すのも苦手な子だったけど、サッカーをすれば、まるで別人に変わることやどんなに有名になっても変わらない人間性が魅力であることは分かりました。しかし、少し話が進むと、イナの親族、中学校、ユースの友人の話を挿入し、このことを持ち出すのは、ちょっと？ではないでしょうかｗ

最後に、内容が表題に十分応えているのか、そこが疑問です。「足跡」だから、イナがサッカーを始めた幼少からJリーグデビュー、国際大会での活躍をなぞれば良いという訳では無いと私は思います。特に、アーセナル時代は、イナのサッカー人生で初めて且つ最も大きな挑戦であり、試練であったと思います。そこに関する取材は、稲本潤一担当記者にしては、正直薄い気がしますし、それは、全体的に言えます。

これならば、イナと同じく海外挑戦と国際舞台の経験が豊富な中田英寿選手に関する著書「鼓動」や「誇り」の方が断然質が良いと思います。なので、サッカーノンフィクション（ですかね、こういうのは）ならば、まずはその2つを読んでみるのが良いかなと思います（私が読んだ中で）。

しかし、そんな今作ですが、イナがどれだけの覚悟を持って、幼少時代からサッカーを続けてきたのかを知れたことは、良かったです。

出来れば、別の稲本潤一ノンフィクション作品を読みたいｗ