見習い物語(下) 岩波少年文庫560

レオン・ガーフィールド(著者), 斉藤健一(訳者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店/
• 発売年月日: 2002/11/19
• JAN: 9784001145601

商品レビュー

2010/05/28

上巻に続いて、感動し…

[文庫ＯＦＦ]

上巻に続いて、感動します。たくましく生きる、少年少女に勇気付けられます

2024/07/10

福武で読んで25年、岩波の上巻だけ読んで数ヶ月。
そろそろ読まないとなあと重い腰をあげたら、いやーーー面白い、積読だったこの本をものの2日でよみました。

下巻のほうが読みやすい、と他の方も書いておられたけど、本当にそう。
上巻に比べてちょっと明るい話が多いんです。

時計店の見習いが不思議なユダヤイベントを過ごすエイプリルフール、美しい髪を持つ盲目の娘に近づく床屋見習いのロージー・スターリング、本屋見習いの少年が少女とお父さんを救うトム・ティトマーシュの悪魔、この三遍が特に好きです。でもどれも良かった。12の短編で12ヶ月を表しているのも解説で初めて気づいた。
この完成度、これが12話もあるんだからなんて贅沢な本だろう。

以下、エイプリルフールより、気に入った箇所を引用します。
p25 ユダヤのお祭りのごちそうシーン
テーブルはまるで船のようだった。白と銀の船。それが、ろうそくの灯りのなかにうかんでいる。マストのようにそびえたった大きな銀の燭台。丸めたナプキン。そのとなりには、ぴかぴかのワイングラスが並べてある。

p33同じくみんなでコイ料理を楽しむ会食シーン
「まるでクジラみたいじゃないか！」バンディングのお父さんが大声をあげた。靴屋街からやってきたお客は、こんな大きなコイいったいどこでとれたのかしら、なんていってる。
コイは、干しぶどうや野菜や、かたゆでの卵を腹いっぱいに詰め込まれ、恐怖の表情をうかべて、銀メッキの鍋から頭だけ出していた。

2011/10/30

下巻。意外な職業の見習いが出てくるのは上巻に引き続いてのこと。美男美女でもなく、とりわけて優れてもいない見習いたちのやや予定調和だがそれなりに興味深い。
あまり広くない範囲のが舞台なので、ほかの短編に登場した人物が別の短編のちょい役ででてくる。とくに上巻で世の中を映し出した灯り持ちは随所に顔を見せていて、あたかも「○○は見た」のような演出になっている。