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ライカでショット! お嬢さんカメラマンの昭和奮戦記
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 清流出版/ |
発売年月日 | 2002/07/27 |
JAN | 9784860290177 |
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ライカでショット!
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100歳を超えオシャレでカクシャクたるご婦人として昨今とみに脚光を浴びる著者。私なんぞは徹子の部屋出演を機に知人から聞かされその存在を知ったという不勉強ぶりだが、日本初の女性報道写真家という肩書(?)だそうで、興味を持って読んでみた。 昭和14年に写真協会創設者の誘いでその道に入り、太平洋戦争へなだれ込む日本、戦中戦後の様子を後年書き起こしたもの。2002年刊行だけど、どうやら元の文章はもっと以前に書かれているようだ。樺美智子の国民葬あたりの記述、写真が最後なので自分が生まれる以前の昭和を写真と文章で活写している。 副題にあるように「お嬢さんカメラマン」ということで、相当好き勝手をした様子が赤裸々に語られる。本人の文章でこれだから、周りの人に表現させれば、もっとトンでもない世間知らずの怖いものなしの”お嬢さん”として描かれることだろう。 女性だから軽く見られたとか、家族の理解が得にくかったとか当時の世情の風当たりは相当あったろうが、逆に女性だからと珍しがられ、重宝がられた点、あるいはお目こぼしもあったような場面も散見される(したたかに利用したというか)。まぁ、とにかく物怖じせずに体当たりしてこそ開かれた彼女の道だったということが分かる。 2016年は、ルーシー賞という写真界の世界的な賞を、生涯を通じ写真界に貢献したとして贈られた。受賞の理由が「厳しい時代を、自立心を持って生き抜いた女性を写し出した」とのことだが、それを作品として”写した”というより、彼女自身がそういう女性を自ら体現したという点だろうなあ。 半生記を描いた文章、写真は、当時を知る意味では貴重で価値ある内容。 「今日は晴天だから、レンズの絞りは6.3、シャッター速度は1/100だな、心の中で念をおす。カメラに露出計など付いていない、フィルム感度ASA50の時代である。勘だけが頼り」 「オフィスにおいてあったものを借りたものである。中には愛用のカメラ、ミノルタ・オートプレスと、ライカDⅢの二台。フィルムとフラッシュバルブがいっぱい。」 戦前の報道カメラマンの装備が知れる。あるいは日中事変3周年(昭和15年の7月)、正午のサイレンでの黙祷シーンをタイミングよく撮影できなかった著者は 「私は勇気を出して、おしゃべりをしながら歩いてくる三人連れの女性に頼んでみた。(中略)これで、ようやく銃後女性の敬虔な姿は撮影できたが、演出は後味が悪い。」 と、当時の報道写真もヤラセは横行?していたことも分かる(笑) まぁ良くも悪くも、当時の日本でよくぞご活躍でと、半ば呆れて関心させられた。 「休日返上、夜の撮影も進んで引きうける。帰宅時間は当然遅くなる。こんなことから兄が猛烈に反対し始めた。特に雑誌「婦人公論」のグラビアに、「日本最初の報道写真家」として写真入りで紹介されてからは、ますます拍車をかけてきた。写真の整理を手伝っている、という嘘がバレてしまったのだ。」 嘘もつかねば理解されないご時世だったとは思うが、そうとうシタタカだったのだろうな。「徹子の部屋」出演の様子を見ても、真顔の時の冷やかな眼差しは、ちょっと他人を寄せ付けないものがある。 お兄さんのみならず、父親、そして配偶者(10年の結婚生活で離婚)の気苦労につい思いを馳せてしまった読後感だった。
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