![グラウンド・ゼロからの出発 日本人にとってアメリカってなーに](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001261/0012614637LL.jpg)
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グラウンド・ゼロからの出発 日本人にとってアメリカってなーに
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社/ |
発売年月日 | 2002/10/25 |
JAN | 9784334973650 |
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グラウンド・ゼロからの出発
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「グラウンド・ゼロ」は、10年前の9.11のあと、ニューヨークのイメージを持たれるようになったらしい。それまでは、「グラウンド・ゼロ」とは、原水爆の真下(または真上)の地点、水面という意味だった。だから、「グランド・ゼロ」といえば、日本では広島にあり、長崎にあるものだった。 ...
「グラウンド・ゼロ」は、10年前の9.11のあと、ニューヨークのイメージを持たれるようになったらしい。それまでは、「グラウンド・ゼロ」とは、原水爆の真下(または真上)の地点、水面という意味だった。だから、「グランド・ゼロ」といえば、日本では広島にあり、長崎にあるものだった。 「あとがき―グラウンド・ゼロ?」の結びで、ダグラス・ラミスは、こう書く。 ▼この本のタイトルにもグラウンド・ゼロという言葉が使われているが、読者にはそれは単数でニューヨークにある場所ではなく、複数で、世界のいたる所にある出発点だとご理解いただきたい。(p.197) 鶴見俊輔とダグラス・ラミスとのいくつかの対談と、鶴見の語り、ラミスの語りをまとめた章とでできているこの本は、『ウシがゆく』にもつながり、『使える9条』にもつながり、『ちいさな理想』にもつながり、そして、これと前後して読んだ『日本人のこころII』にもつながるのだった。 もし日本が戦争をできる国になったら、私は徴兵賛成に回る、とラミスは言う。徴兵制があった時代のアメリカでは、大学生の男は卒業すれば徴兵されるかもしれない、インテリも金持ちの息子も徴兵されるかもしれないという怖れが反戦運動の原動力だった。徴兵制をやめたあと、以前の軍隊と比べて、戦争反対の思想を軍に伝えるのは難しくなった面もある。だから、ラミスは、「もし、本当に戦争に関わり始めれば、それに反対しなかった東大生も早稲田の学生も、若いサラリーマンもみな戦場に行ってほしいんだ」(p.121)と言う。 スミスの講演録をまとめた6章「軍隊は誰を守るのか」は、軍隊が、誰を殺し、誰を守っているのか、統計も引きながら、思い込みをゆさぶる。 ▼「軍隊を作りましょう」と政府が言うと外敵を想像しますよね。その敵が迫ってくるかも知れないとか言うけれど、実際、国はなぜ軍隊を持つかというと、国民を守るのではなく国民から政府を守る役割がほとんどなんです。 それを安全保障と言うんだけれど、それは国家の安全保障、政府の安全保障であって、民衆の安全保障ではありません。(p.174、下線は原文では傍点) このことを、自衛隊のなりたちとあわせて考えるとぞくぞくする。朝鮮戦争のときに、米軍は朝鮮半島へ行って戦争をする、そのときの警察予備隊の仕事は、国内の秩序を保障することだった。つまり、出発点は「国内弾圧用の組織」。 ▼今の自衛隊法には武器を使っていい場合が二つ書いてあります。一つは、わが国が侵略された場合。もう一つは国内の秩序が崩れたら、治安を保障するために使う。…こういう法的な根拠があり、実際に訓練も受けて演習もやっているはずです。(pp.176-177) これは自衛隊法のなかで、武器の保有(87条)、防衛出動時の武力行使(88条)、治安出動時の権限(89条、90条)、要請による治安出動(81条)のあたりに書かれている。治安を保障するため、というところは、政治犯の死刑と同じやなという気がする。 「アメリカ」(というのは、北の、USAのことを指している)という鏡に照らして、「日本」が見えてくるような、なにがどうなって「今」があるのかを見せてくれるような、ぐるりぐるりといろいろ考える対談だった。
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