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「うつ」をやめれば、楽になる やっかいな心の荷物をおろしなさい
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | PHP研究所/ |
発売年月日 | 2002/09/18 |
JAN | 9784569624105 |
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「うつ」をやめれば、楽になる
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私の鬱の場合、その根は親にあり、直接の原因は夫にあることがわかっているので、前半の内容については「まぁ、納得…」 で、肝心の治し方については「常に率直でいる」、「相手を許す」。 でも、不快な感情の原因である相手に対して 「私は貴方の言動によって不快な気分になりました。そんな私を...
私の鬱の場合、その根は親にあり、直接の原因は夫にあることがわかっているので、前半の内容については「まぁ、納得…」 で、肝心の治し方については「常に率直でいる」、「相手を許す」。 でも、不快な感情の原因である相手に対して 「私は貴方の言動によって不快な気分になりました。そんな私を許してください。こんな私と今後も付き合いたいと思ってくれるなら、私を理解して行動してください」 と言うことで全てが解決するような世の中なんて、いったい何処にあるというのだろう? そこらへんは絵に描いたようなキリスト教の理想っぽくて、むしろ笑ってしまった。 【結論】 鬱の症状について理解が深まった。 身体的要因による鬱である可能性があることがわかった。 「鬱をやめる方法」はわからなかった。
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うつの原因、治療について細かく分類しており、事典的に使うには便利かもしれない。しかし理想的すぎる主張が多い。とくに肝心の第三章(うつの克服)については「そう考えられるようになったら本当にいいですね、苦労しませんよ」と皮肉を言ってやりたい気持ちにかられる。もちろん大切なこともたくさ...
うつの原因、治療について細かく分類しており、事典的に使うには便利かもしれない。しかし理想的すぎる主張が多い。とくに肝心の第三章(うつの克服)については「そう考えられるようになったら本当にいいですね、苦労しませんよ」と皮肉を言ってやりたい気持ちにかられる。もちろん大切なこともたくさん書いているが、他の書籍に比べて特別に目からウロコ、という部分はあまりない。 うつを生じる身体症について、以下のように精神面だけでなく多角的に捉える視点はとても勉強になった(p.116-121)。 ・低血糖症(来院者の1%程度にすぎないが、低血糖が原因でうつになる人は確かに存在する) ・甲状腺機能低下症(甲状腺の機能低下はうつを引き起こすが、逆もまた然り、どちらが先に生じるのかは必ずしも明らかでない。うつと甲状腺は互いに相互しあっている。確かに臨床的に甲状腺の薬がうつに効くことは多い。これには甲状腺機能低下によると考えられるうつだけではなく、他のタイプのうつも含む。うつと甲状腺の深い関係が伺える) ・内分泌障害(各種ホルモンを分泌する脳下垂体、視床下部の異常がうつと関係しているという仮説は比較的支持されている。甲状腺と同じく、うつとの相互作用が強いと考えられる) ・電解質障害(ナトリウム、カリウム濃度は重要な要素かもしれない。原理ははっきりとはしないものの、炭酸リチウムが気分障害に劇的に効くことはこの仮説を支持する) 全体的に、親の育て方にうつの根本原因を見出そうとするきらいがある。臨床医がこのような治療を行っているのはいかがなものかと感じた。というのも、親が原因のパターンはあるだろうが、その思考は過去を向いているからである。患者がうつの原因を過去の出来事に求めすぎると、治療の妨げになるのではないだろうか。大事なのは今これからだ、という視点である。もちろん、実際の治療はそうなるように進むのであろうが、この本だけを読んだ患者は、過去の出来事に原因を求め、「だからしかたがない」と依存、安心してしまうのではないか、と感じざるを得ない。 読んでいて新鮮だったのは、DSMによる通り一辺倒な診断とは一風変わった感覚があったことだ。DSMはどの精神科医が診察してもあまり診断結果がバラつかないように、あまり疾患の成因に踏み要らず、症状にとくにフォーカスして診断する。それによる恩恵は計り知れないが、やはり精神科医療でもっとも大切なのは、経験豊かな医師に長年診てもらい、自分を知ってもらうことだ。それに勝る診断マニュアルはない。その意味で、「合う患者にはとことん合う」医師なのだろう、と感じた。患者をひじょうによく観察している、と感じる文章が多かった。自分自身を本当に言い当てている、と感じる患者も多いだろう。 以下気になった箇所をメモしておく ・不安と幸福よりも、不幸とうつを選ぶ人がいる(実現する悪い予言、という認知の歪みが知られている。嫌なことが起きるのではと恐れるあまり、自分の行動が制限されてしまい、本当に嫌なことを“呼び寄せる”人もいるのだ) ・あと知恵は常に見通しより良く、ああすればこの喪失はおこらなかっただろうにという思いを禁じ得ない ・親は第一子に多大な期待をかける傾向があり、そのためか長子は職業の面では成功していることが多いが、本人はそのことを少しも楽しんでいないことが多い ・いい子に育てられた人間は強迫的になりやすい。ある程度の強迫性は人生で有益であり、勤勉、良心的で道徳的な行動をとることが可能になるという側面もある ・条件付きの幸せは真の幸せではない
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そうは言われても、そして分かっていても簡単に思考パターンは変わらない。「うつ」よりも「神」って何だろうと考え込んだ一冊。
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