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少年トレチア
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少年トレチア

津原泰水(著者)

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少年トレチア

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/
発売年月日 2002/01/30
JAN 9784062108096

少年トレチア

¥220

商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2020/03/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

一九九九年。バブル期に建設された巨大な衛生住宅団地、緋沼サテライトに住む子どもたちのあいだでは、少年殺人鬼〈トレチア〉の噂がまことしやかに囁かれていた。大学生の崇は、幼馴染がサテライト内で何者かに襲われ、彼を見舞いに行く道中ではぐれた恋人の有希が死体となって発見されたことをきっかけに、無意識に目を背けていた己の少年時代の記憶と向き合うこととなる。インスリン依存型糖尿病を患う小学生の晟、崇の妹・あかね、あかねを被写体に8ミリ映画を撮る七与、水晶ペンデュラムでサテライト内をダウジングする落ち目の漫画家・蠣崎らを道連れにして、やがてサテライトは破局へと向かう。 一九九九年の日本を舞台にして、二〇〇二年に出版された小説、と聞いたときに期待される要素がすべて盛り込まれた、「〈メタ〉世紀末」な小説。津原さんで世紀末というと、本書に先駆けて最近ハヤカワ文庫で復刊したばかりの『妖都』を思い出すが、『妖都』は世紀末の陶酔の只中にいるような感覚がするのに比べ、『少年トレチア』はもっとシニカルというかなんというか、「狂騒は終わった」という目線がはじめからある。 「崇の幼馴染を襲い、恋人を殺したのは誰か」という犯人探しは中盤で解決し、サテライトの中心部にある人工池に棲むという伝説の巨大魚〈魔加羅〉と、沼地を埋め立てて作られた衛星団地が生み出す歪みについての物語へと移っていく。都市伝説、人口密集地の地盤沈下、少年犯罪、いじめの被害者による復讐劇、セックス依存症の人妻など、悪趣味なくらいゴシップ的な〈世紀末〉要素が次から次へと繋ぎ合わされ、「緋沼サテライト」という場所が世紀末日本のグロテスクな戯画となっていくのだが、その耽美的な文体と激しい暴力描写は、ちょうど劇中と同時期に放送されていたドラマ『ケイゾク』のような脳内映像を作り出す。 良かったのは、崇と晟、この二人は殺人者であり、物語の終わりに亡くなるのだが、魔加羅とトレチアというオリジナルなオカルト要素を組み込んだことで、そこに因果応報的な説教臭さが発生していないこと。特に晟が死を予感しながらハーモニカを吹き、はじめての自作曲を完成させる場面では、とても複雑だが深い感動があった。こんな奴に救済が訪れていいのか?と思う反面、彼の元に最期に訪れた救済に、読者である私も救われてしまうような。これぞフィクションの醍醐味だなぁ。七与の同居人である麗玲と家主の老女が、終盤のカタルシスを迎えてから急に行動的で魅力的なキャラクターになるのも面白かった。 九十年代という夢(悪夢かも)を、ひとつの街として小説のなかに閉じこめたタイムカプセルのような一冊。

Posted by ブクログ

2014/06/04

津原泰水さんの長編。 「妖都」っぽい陰鬱さと美しさが堪能できます。 ホラーと云うかミステリと云うか。 「で、何だったの?」って云う感想に 陥ると全く面白くない小説ですが、 鏤められたエピソードを一つ一つ 味わいながら楽しめる 美しい小説だと私は思いました。

Posted by ブクログ

2012/10/18

装丁はこれじゃないんだけど どっちにしても気味悪いのが気になって 買おうか買うまいか考えていたら図書館にアッター 「悪いのはトレチア」って帯に書いていたと思うんだけど そういう思念みたいなものに操られて悪いことしちゃう たぶんそんな話だろうと思っていたら ずいぶんとっちらかった...

装丁はこれじゃないんだけど どっちにしても気味悪いのが気になって 買おうか買うまいか考えていたら図書館にアッター 「悪いのはトレチア」って帯に書いていたと思うんだけど そういう思念みたいなものに操られて悪いことしちゃう たぶんそんな話だろうと思っていたら ずいぶんとっちらかったお話だった・・・ 作中で登場人物が小説を書いているんだけど ネタをいっぱい詰め込むだけじゃだめみたいなことを その登場人物が言っていたはずで それ、そのままこの小説に当てはまるなーとオモッタ あれもこれも詰め込んで 何が言いたいのかちっとも伝わってこなかったな 後半、地球外生命体みたいなの出てくるし なんじゃこりゃ???と首をかしげてしまった 好感を持てるキャラクターもまったくいないし 小説としての体裁も落ち着かないし 内容も気持ち悪かったです 図書館の本でよかったなーとオモイマシタ

Posted by ブクログ

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