文明の憂鬱

平野啓一郎(著者)

• 販売会社／発売会社: PHP研究所/
• 発売年月日: 2002/01/30
• JAN: 9784569620039

商品レビュー

2017/01/14

先生のこの作品の先あたりからの仕事は信頼を預けうるものなのだが、このころはやはり肩に力が入って、しかしところどころ稚拙で、恥ずかしくなる。今読むと、9.11などの記事はどうしてもステレオタイプに感じてしまうし、そのことが浅さ、若さによるという、こちらも紋切り型の評価を簡単に下してしまいそうだ。現在もそうだが、もっと先、奥があるはずの先生だけにいつ開き直ってさらけ出してくれるかを楽しみに待つことにする。

2013/08/27

20130809読了
エッセイ。各章はそれぞれ1枚の写真から想起して綴られる。さらさらいけるところもあれば、読み飛ばすところもあり。取材のために何度もヨーロッパに行っていそうな著者でも、長時間のフライトは苦手なんだって。クラシックのコンサート、たくさん行ってそうだな。もっと高尚なコトバたちが連ねられていたはずなのに、頭に残ったのはそういう切れ端みたいな事柄だけだった。エッセイだからそれもいいかな。

2010/09/06

平野氏のエッセイなわけだが、うーん、、文体が固くてどうも改まった感じが馴染めず、彼のファンには心地良いのだろうが、楽しむことができなかった。
内容的にも、これといって印象深いものもなく、口蹄疫で吊るされた牛の写真が妙に生々しく脳裏に焼き付いているくらいだ。
とても頭のいい方なのだろうが、物事を考える視点がどこか違う空間にあり、共感する部分を見つけることができなかった。
著者の他の書も読んでみたい。