あなたはどれだけ待てますか せっかち文化とのんびり文化の徹底比較

ロバート・レヴィーン(著者), 忠平美幸(訳者)

• 販売会社／発売会社: 草思社/
• 発売年月日: 2002/06/20
• JAN: 9784794211477

商品レビュー

2017/08/02

めちゃくちゃ面白い本でした。
どこの国に生きていても、人というのは時計を見て生活し、同じように24時間を体験しながら生きている・・・というのが、勝手な思い込みであるとわかりました。
国によって時間通りに事が運ばない、というのもなんとなく知っていましたが、こんなに違うのか・・・というのも衝撃的でした。
例えば日本（や、多くの先進国）では「明日4時に会おうね」となると、まあだいたい4時前後に友人は登場しますよね。
でも1，2時間普通に遅れる国ってたくさんあるんですよね。そもそも4時という約束をしない国がありますね。
「明日の午後あいましょう」（以上！）
「子牛が草を食べる時間にあいましょう」（以上！）
みたいな。

鶏か卵か、ですが、やはり「時間とは貴重で無駄にしてはならない」という発想が強い国ほど、経済が発展している。
あるいは経済が発展するから時間の生産性を気にするのか。
でも、国によっては「時間は無駄にできないんじゃないんですか？何もしてない時間なんてものは存在しない。」という考え方もあるんですよね。
例えば、予定のない休日。家事もしたし、本も読んだ。何もやることがなくなった。はて、とソファに座り窓の外に降る雨をぼーっと眺める。
「世の中何も起きていない。自分は何もしていない。」と、先進国の多くの人ならばそう考えるかも。
でも国によっては「ソファに座っていたじゃないか。雨を眺めていたじゃないか。いつも何かは起きていて、時間を無駄というけれど、時間はいつだって豊かにたくさんあるものなのに、無駄ってどういうことだ？さっぱりわからん」という文化もあるんですね。
「今日は報告の締め切りで、今急いでるから！」という時でも、廊下ですれ違った同僚と立ち話せずに行くというのは失礼である、人とゆっくり会話するほうが紳士的で好ましい、という文化もあります。

今月は時間は有限チケットというサポメでした。
もちろん納得なんですが、ただ、それって先進国に暮らすものの価値観であって、それがまったく通用しない文化が世の中にはあるのだ、ということだけは忘れまい、と思いました。
著者も言っていますが、「どちらの時間のとらえ方が正しいかどうかは言えないし、問題ではない」。そうだと思います。

2013/07/16

アメリカ人社会心理学者の著者が、ブラジルでの体験をもとに始めた「時間」に関する世界の違いを社会学的に考察した本です。
時計を遵守する「時計時間」と反対の「出来事時間」を定義し、世界の都市を比較しています。
当然、東京も出てきて、外国人からみた日本の見え方もわかり興味深いです。
東京は世界でも屈指のテンポの速い都市でありつつ、心疾患の患者が少ないなど特有の特徴があるようです。
日本にいると・・・時間によって行動が決められるのが当たり前ですが、世界はそうでない場所の方が多いのですね。
「時間」を深く考察していくことは、ある意味「哲学」していくようなものなのだと改めて感じました。

2012/08/07

時間に関する考え方は、その国の文化と深くかかわっており、先進国と呼ばれる国は、ほかの国と比べて時間が正確で、人の歩く速度も速いらしい。また、寒い地方のほうが、暖かい地方より時間に正確らしい。
世界中の都市で、人の歩く速度や、窓口で切手を買うまでの時間などを比較するが、日本はかなり上位にいっている。
やっぱりと納得した。