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オレンジの壼(下) 長編小説 光文社文庫
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オレンジの壼(下) 長編小説 光文社文庫

宮本輝(著者)

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オレンジの壼(下) 長編小説 光文社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/
発売年月日 2002/07/20
JAN 9784334733421

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商品レビュー

3.6

16件のお客様レビュー

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2010/05/28

祖父が遺した日記の謎…

祖父が遺した日記の謎を追っていくうちに思いもよらぬ祖父の過去を知ることになる。平凡で何のとりえもない女性が、ある事をきっかけに成長していく過程も見れる。

文庫OFF

2019/10/21

祖父が秘めていた秘密をなぜ佐和子にだけしか糸口を開かなかったのか、彼女の生き様や性格を見ていれば納得できるような気がする。 彼女は情に生き、祖父が犯した罪をすべて溶かしてくれるような人物だと思う。すべてを許し、人のためを思う考えを持つ彼女だからこそ祖父は秘密をあかしたのではないだ...

祖父が秘めていた秘密をなぜ佐和子にだけしか糸口を開かなかったのか、彼女の生き様や性格を見ていれば納得できるような気がする。 彼女は情に生き、祖父が犯した罪をすべて溶かしてくれるような人物だと思う。すべてを許し、人のためを思う考えを持つ彼女だからこそ祖父は秘密をあかしたのではないだろうか。 マリーのその後、佐和子と滝井、ドイツ人娼婦、なぞはたくさんあるが著書がそれを読者に投げかけている終わり方。マリーやアントセンに会わずじまいだったが、それが彼女が考える今一番いい終わり方だったんだろうと思う。思い出したくない過去としてマリーたちをそっとしておくことも彼女としての気遣いだったのだろう。

Posted by ブクログ

2019/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二十数年前に読んだことを不意に思い出し、再読。 やっぱり面白い!二重、三重構造の仕掛けがあり、どんどん引き込まれる。そして結局最後まで解かれない謎が多い。 死産したとされる赤ん坊は、もしやローリーとそっくりと言われる従妹の子供として育てられた?アスリーヌが娘の結婚に反対したのはユースケを愛したから??など、作中にもあるように強引にこじつければ周り(読者も)が何とでも解釈できそうな事柄が沢山散りばめられている。突き詰め過ぎずにアソビを残すのも人生の醍醐味か。 消えてしまえわない過去なんてない。どんな痛切な過去も、生きてさえいれば、別のものに形を変える。歳月が変えるのでなく、生き続けた人の心が、重い過去をほぐしていくのに違いない。 世の中のことは、いつか丸く収まっていくものだ。しかし、戦争によって生じたものは、決して、いつか丸く収まっていったりはしませんね。 この一見相反する二つの言葉が心に残った。 この言葉が宮本輝さんが一番言いたかったことなのかな。この作品が書かれて更に30年経っている。それでも心の中での戦争が終わってない人は沢山いるんだろう。 人も自分をもどこか冷めた目で遠いところから眺めていたような佐和子が、数ヶ月のドラマティックな経験で自他の長所も短所も「受容する」ことができるようになったのが興味深い。 数十年前に起こった過去が、佐和子が起点になることで改めて「動き出す」のも良いな。自分が起点になることで自分を変えることができる、ということだから。 宮本輝さんがこの頃女性の心を鷲掴みにしたのが改めてわかる気がする。佐和子が、元夫に「石のような女、人としても全く魅力が無い」と言われたのには、自分でもビックリする位感情移入して猛烈なショックと怒りが湧いた。まぁ、大金持ちの令嬢だけに、父親からポンと二千万渡されて起業を打診されたり、通訳を伴ってのパリへの旅行、エジプトへの移動、何の躊躇いもなく実行できるあたりは共感しづらいけど!笑 本が増えすぎて、ブックオフで買い取って貰う前に時悩んで再読したものの1つ。結局また図書館で借りて読んでしまった。これで少なくとも3回目だけど、読むごとに感想が少しずつ変化する、魅力のある物語。

Posted by ブクログ

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