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テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う
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テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う

朝日新聞アタ取材班(著者)

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テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 草思社/
発売年月日 2002/04/25
JAN 9784794211378

テロリストの軌跡

¥220

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2016/08/26

9.11の主犯格であった、モハメド・アタは元々敬虔なイスラム教徒ではなかったとされている。その中で原理主義的なイスラム教徒に変わってしまった過程が描かれている。 イスラム社会の中で育った者がヨーロッパの世俗主義社会で生きる苦しさが読み取れた。本の中には、カイロ出身のアラブ人でベル...

9.11の主犯格であった、モハメド・アタは元々敬虔なイスラム教徒ではなかったとされている。その中で原理主義的なイスラム教徒に変わってしまった過程が描かれている。 イスラム社会の中で育った者がヨーロッパの世俗主義社会で生きる苦しさが読み取れた。本の中には、カイロ出身のアラブ人でベルリン自由大学研究員のアムル・ハムザウィ氏の言葉がある。「アタも過激なイスラム教徒として、ドイツに来たわけではないと思う。異質な世界での孤独感や不安感から、母国語を話す人たちによりどころを求めた。」 9.11の後、イスラム過激派によるテロを「グローバル化による貧困」と結びつける論調が多く見られたが、それはほとんどの場合間違いであった。なぜなら、9.11の実行犯たちの多くはサウジアラビア出身であり、モハメド・アタに限らずアラブ世界の貧困者とはほど遠かったからだ。   

Posted by ブクログ

2016/07/21

本書を読むことで、昨今話題となっている原理主義者についての理解が深まった。 原理主義によるテロには2つの共通点がある。 (前提として、彼らは、本書で描かれているモハメド・アタを含め、留学や移住など様々な形で海外に根を下ろした経験がある場合が多い。) ひとつは、海外で差別の対...

本書を読むことで、昨今話題となっている原理主義者についての理解が深まった。 原理主義によるテロには2つの共通点がある。 (前提として、彼らは、本書で描かれているモハメド・アタを含め、留学や移住など様々な形で海外に根を下ろした経験がある場合が多い。) ひとつは、海外で差別の対象となったこと。アウェイな環境下に置かれ、その中で居場所を見つけられなかった時… 唯一の救いは宗教である。また精神的に安定しない彼らは、洗脳されやすい。 もうひとつは、自国と比較する材料が生まれることで、いかに自国の政治が悲惨なものであるかということに気づいてしまうこと。本書であれば、モハメド・アタはエジプト出身であり、エジプトではコネがないと職に就けない。また、政府は国民が国民が援助を必要としている時も、助けるどころか喰いものにしてしまう。そんな政府に対して失望する。 この2つを受け、彼らはアイデンティティを喪失し、原理主義に居場所を求めてしまう。 彼らは本来はセンシティブで心の優しい人々だったのだが、その気弱さに漬け込んで、原理主義のターゲットとなってしまうのだ。

Posted by ブクログ

2008/11/15

米同時多発テロのことを知っておきながら、そのテロの中心人物である「モハメド・アタ」の名前を全く知らなかった自分にひどく失望した。いや、おそらく日本のほとんどの人が知らないんじゃないかと思う。これからは世界事情にもっと注視しなければいけないなと内省しました。 この本を読んである程度...

米同時多発テロのことを知っておきながら、そのテロの中心人物である「モハメド・アタ」の名前を全く知らなかった自分にひどく失望した。いや、おそらく日本のほとんどの人が知らないんじゃないかと思う。これからは世界事情にもっと注視しなければいけないなと内省しました。 この本を読んである程度「モハメド・アタ」がどういう人物だったのかは理解した。礼儀正しくて内気、やさしいし頭がいい。まさに優等生だったらしいのだ。それがなぜテロリストなんかに…?って最初は思っていた。彼が変わり始めたのはドイツのハンブルグ工科大学進学後であるからそこできっとヨーロッパでの「アラブ人への偏見」を経験し母国エジプトへの不満も募りアルカイダの「一本釣り」に引っかかったんだと思う。純粋な性格ゆえどっぷりイスラム原理主義になり、なおかつ過激派にまでなってしまったのだろうか。 またテロに着目したときに強く感じたのは「悲しみの連鎖」だ。テロ後にどれだけイスラム教の人々が厳しい扱いを受けてたか死んでしまったアタにはわからないだろう。イスラム教の人々のためにとした行動がかえって彼らを苦しめることになってしまったっていうのに。この一連のテロ行動は日本の真珠湾攻撃を思い出してしまう。差別と偏見から憎しみが生れ、その憎しみがアルカイダという組織によって行動力を伴い、そこからまた憎しみが生まれている。この連鎖を解決する方法を僕らは見つけなくてはならない。そうしなければ戦争のない未来は単なる希望的なものに終わってしまう。ちなみに取材班の方々は「将来に希望のある人はテロなどに加わらない。21世紀を『テロの世紀』にしないために生きる張り合いのある社会を世界中に作っていくことが大切だ。国際化の中で一国だけがテロから無縁でいられるような状況はないのだから。若者が希望を持てる社会づくりに向けて努力していくしかない」と述べてりる。事実アタも差別・偏見により絶望した心の隙間から過激派的思考に取り込まれている。これからイスラム社会、アメリカ・ヨーロッパ社会の動きに注目ですなぁ。 っていうのがこの同時多発テロとアタとを結んで考えてた個人的な考え。それとは別に現代のメディアの行動力or調査力には感嘆した。「何よりも雄弁なファクトだけを使い、モザイク画を丹念に描き出してゆこう」というのが取材班の基本方針らしいのだがここまで詳しく緻密にまとめられたものを目の当たりにすると読みながらこの情報を集めた彼らの熱意も伝わってきたからだ。メディア凄し!!!この本だけは誰にもかさねぇ…。

Posted by ブクログ

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