迷子になった鳩 小プロ・ブックス

エリアンウィルソン(著者), 南風椎(訳者)

• 販売会社／発売会社: 小学館プロダクション/
• 発売年月日: 2002/04/10
• JAN: 9784796880046

商品レビュー

2016/02/17

　翼の生え始めたひな鳥のように―

　大洪水を逃れたノアの方舟。陸地を探し求めてそこから放たれた三羽の鳩のうち舟へ戻ることのなかった最後の一羽は一体どこへ消えたのか。行方をくらましたその一羽を見つけ出すため、ある日オリーブ山の頂上に世界中の鳩が招集された。

　「自然から遠く離れるほど、人間の心は冷酷になるということ」シロフクロウ

　ジョット・マルティーニのフレスコ画から飛び立ち大平原へ向かった鳩が出逢ったのは、ネイティブ・アメリカンの知恵を有するシロフクロウ。彼が語る聖人ブラック・エルクの一生とその地に根付いたヴィジョン。空と大地の物語。

　「人間はみんな私の歌声についてきました」蜜集め

　シャガールの絵画から飛び立ちアフリカへ向かった鳩が出逢ったのは、人々を歌で導く蜜集め。精霊の時代は過ぎ、人々の絆が断たれ、木が切り倒されていく今もなお彼は歌うことを辞めない。信じるとは、光を感じて歌う鳥。

　「もしきみが散らかしたら、あとは誰も元通りにできないのだから」神さま

　エルサレムで生まれ虹色の翼をもった鳩が画家モトケから聞かされたのは、天地創造の輝きの物語。何処かへ消えてしまった憎しみを愛へと変えるあるひとつの言葉。魔法にかかれば、どんな話も本当の話。

　世界12ヵ国で翻訳された『平和は可能である』ことを伝えてくれるスイス発のこの作品。数えきれない希望の色、かすかなブルーに包まれた旅の物語を読んで、ぜひ迷子になった鳩を見つけ出してあげて下さい。

　そんなお話。

2010/10/05

○あらすじ
ある日、世界中の鳩が飛びたった。３番目の鳩を探す旅にでるために。

○感想

職人の祈りが好きです。
ダライ・ラマ氏が登場するのはいいとして……帯で“ダライ・ラマ賞賛”と書かれているのはどうよと思う。