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高橋順子詩集 現代詩文庫163
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 思潮社/ |
発売年月日 | 2001/04/15 |
JAN | 9784783709343 |
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高橋順子詩集
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
高橋順子さんの詩集ですね。 現代詩文庫シリーズの詩集です。 「永遠の詩」シリーズの解説でお馴染みになりましたので、どんな詩を書かれるのか興味がわきました。 「永遠の詩」シリーズはとても読みやすく、高橋順子さんの解説にかなり助けられましたが、この「現代詩文庫」シリーズは解説がなくて...
高橋順子さんの詩集ですね。 現代詩文庫シリーズの詩集です。 「永遠の詩」シリーズの解説でお馴染みになりましたので、どんな詩を書かれるのか興味がわきました。 「永遠の詩」シリーズはとても読みやすく、高橋順子さんの解説にかなり助けられましたが、この「現代詩文庫」シリーズは解説がなくて、かなりの作品が網羅されていました。 私には、まだまだこれ程の作品を消化しきれるものではありませんが、幸いにして、高橋順子さんの詩は親しみやすく受け入れやすい身近な感覚の詩集でした。 この詩集には、詩篇の他に童話と詩論・エッセイも寄せられています。 2001年四月の発行です。高橋順子さんの作品の軌跡と四人の解説者の高橋順子さんへの詩人論・作品論も紹介されています。 まさに盛りだくさんの詩集ですね。 ひとつだけ 砂 砂ひと粒の切り口が 鏡のように光っている夢を見た 夢を追いはらうために首をふった 首をふる音が聞こえた すると足もとから砂が逃げ出した 「くずれる」 と叫ぶと 鏡が乱反射して わたしも光る砂になっている もうかたちにとらわれない いくらでも手足が伸ばせるのだ 砂としての生涯を考えているうちに 日が暮れている 高橋順子さんの詩は短い作品が多く、共感のわく詩篇なので読んでいて楽しくなります。ご主人とのやり取りの詩篇が、また良いですね。 興味深い詩人をまた一人見つけました。 少しずつ読んでいきたいと思います。
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何冊ものアンソロジー他の編者もされている、高橋順子さんの選詩集。 巻末の詩人論・作品論は清水康雄さん、大岡信さん、池井昌樹さん、赤川泉さんらが、何やら難しいことを述べていらっしゃいます。 でも、私は簡単に言って高橋順子さんのこの詩集は、大きく言って、独身のとき、ご結婚後に分けら...
何冊ものアンソロジー他の編者もされている、高橋順子さんの選詩集。 巻末の詩人論・作品論は清水康雄さん、大岡信さん、池井昌樹さん、赤川泉さんらが、何やら難しいことを述べていらっしゃいます。 でも、私は簡単に言って高橋順子さんのこの詩集は、大きく言って、独身のとき、ご結婚後に分けられると思います。 みるからに、前半と後半では、うたわれていることが、違います。 御主人は小説家の車谷長吉さん。 後半の詩はご主人とのおのろけの詩のような気がします。 高橋順子さんは、東京大学仏文科卒業の才女であられますが、女性にとって、やはり結婚というものは大きい変化なのだろうなと思いました。 季節で言えば、初夏の頃の輝きを思い出させる(今、まさに初夏ですが)詩が多いような気がしました。 私は、おそらく独身のときに書かれた詩の方が憂いがあって好きな詩が多かったです。 「春 2」 「だれかがわたしの灰色の娘を連れていった」 おばあさんは灰色の髪をしている 娘っておばあさん自身のことかもしれないと気づいてしまった 沈丁花が匂っていた 石段を上がったところに咲いていた花は 匂いの帯だけ残して春になり 誰が誰に夢みられたものかすっかりわからなくなった 「記憶」「ヒトワサビシキ」「愛住町」「木肌がすこしあたたかいとき」「子どもの時間」「芽」もよかったです。
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海に惹かれて 海を泳ぐように 海の中へ飛び込むように 水の流れていく先を辿って行った 降り注ぐ雨に打たれて 重さが命を支えて救っているなんて かのリルケのように 地球の重さに 想いを馳せたのか 夏が終わっても 時が過ぎても 終わらない 記憶 海と 空の遠くを眺める感覚と ...
海に惹かれて 海を泳ぐように 海の中へ飛び込むように 水の流れていく先を辿って行った 降り注ぐ雨に打たれて 重さが命を支えて救っているなんて かのリルケのように 地球の重さに 想いを馳せたのか 夏が終わっても 時が過ぎても 終わらない 記憶 海と 空の遠くを眺める感覚と 重なる波と 星の光 自由という残酷さを目の当たりにして 厳しさの中で立つ 広すぎる海と 深すぎる空の間で 目を開ける それは言葉を唄った 祈りのような 言葉 時は変わっていく 残された時間は減っていく 何を切り取るのか その目に映る 何を 詩にするのか 鳥を見る時 羽ばたく鳥に 自分を見る 海を見る時 その一部に 自分を見る 小さすぎる自分の欠片 大きすぎる世界の破片 自分を散りばめるように 想像力が 羽ばたく鳥のように 小さな自分だから 心は どこまでも行きたい 見渡した海の向こうの どこか知らない世界と 地平線と 空が混ざって 空と雲が 波打つ海のようだった 一人の詩人である前に 一人の人間である前に 一人の女である前に 一つの命だと 言葉が訴えていた その矜持を 私は持っているだろうかと 考える 覚悟も 勇気もないままに 言葉を綴る弱さを 思う 波を一つすくって すくった端から零れて 海に帰っていく 波の音 呼吸の音 鼓動の音 星の声 どこまでも一人だから どこまでも繋がって 筏のように信じた言葉に乗り込んで どこまでも 旅をしたい
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