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知の教科書 カルチュラル・スタディーズ 講談社選書メチエ207
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知の教科書 カルチュラル・スタディーズ 講談社選書メチエ207

吉見俊哉(編者)

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知の教科書 カルチュラル・スタディーズ 講談社選書メチエ207

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/
発売年月日 2001/04/10
JAN 9784062582070

知の教科書 カルチュラル・スタディーズ

¥385

商品レビュー

3.2

5件のお客様レビュー

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2016/08/07

6人の執筆者がカルチュラル・スタディーズの歴史と現在について論じている本です。 カルチュラル・スタディーズと呼ばれる営みには、アクチュアルな問題に分け入って考察をおこない、その中でみずからの「まなざし」そのものへを問いなおすような性格がつきまとっています。カルチュラル・スタディ...

6人の執筆者がカルチュラル・スタディーズの歴史と現在について論じている本です。 カルチュラル・スタディーズと呼ばれる営みには、アクチュアルな問題に分け入って考察をおこない、その中でみずからの「まなざし」そのものへを問いなおすような性格がつきまとっています。カルチュラル・スタディーズがそのようなものである以上、いわゆる教科書のように「基本理論」からその「応用」へと段階を追って読者を導くというやり方はそぐわないと考えられます。 入門書である本書でも、カルチュラル・スタディーズを既成の学問とみなしてその分かりやすい解説をおこなうのではなく、カルチュラル・スタディーズの達成を紹介しながら、執筆者のそれぞれがカルチュラル・スタディーズとは何かと問いなおしをおこなうというスタイルが諸所に見られます。カルチュラル・スタディーズのパフォーマティヴな側面についても学ぶことができる入門書として、おもしろく読みました。

Posted by ブクログ

2014/12/07

結局カルチュラルスタディーズとは何か、判然としなかったが、そもそも判然としないものであることが分かった。 本の最後には用語集もついてて親切。

Posted by ブクログ

2013/07/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●CSとは?(メモを取りつつ) 日常の文化的な実践をめぐる批判の知 内在的な視点に立脚する [CSの問題意識]p179 ①当事者の経験への照準:大衆文化・サブカルチャーの能動的契機に着目し、当事者による能動的な意味解釈を掬いとるエスノグラフィックな研究に重点を置く。 ②因果論的説明からの離脱:経済決定論的なマルクス主義理論から距離を置き、文化的要素を重視する反因果論的・反本質主義的な議論を展開する。 ③再帰性の問題の先鋭化:分析対象=テクストのみならず、そのテクストを解釈する分析者自身の置かれたコンテクストをも問題化する。 《第一部 カルチュラル・スタディーズは大衆文化(ポピュラー・カルチャー)を語る》 カルチュラル・スタディーズ(CS)は文化がすでにそこにあり、固有の内容を含んだものと見るのではなく、むしろそうした語りの条件を問い返すところから出発する。文化を経済や政治から切り離された固定的な領域と見なさずに、政治が作動し、経済と結びつき、言説と権力の重層的なせめぎあう場として問題化していく。p45 《第一章 メディア(オーディエンス)by 山口誠》 【フロー(flow)の概念】p86 レイモンド・ウィリアムズ「フロー(flow)」:視聴者は異なる形式・内容の情報群を一つの流れ(フロー)として経験している。 《第三章 人種・エスニシティ by 本山謙三》 「認識論の暴力」 【「誰にとっての、何のための文化であるのか?」のみを問う】p123 「どこから来たんじゃねえんだよ、どこにいるかなんだ」というラッパー・ラキームの歌詩(ライム)から題名をとったポール・ギルロイの論文。 【「命名」のポリティクス】p128 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』、命名=他者へのカテゴリー化 スチュアート・ホール「ニュー・エスニシティズ」p132 【アイデンティティからアイデンティフィケーションへ】p132 スチュアート・ホール「アイデンティティを、すでに達成され、さらに新たな文化的実践が表象する事実として考えるのではなく、そのかわり、決して完成されたものではなく、常に過程にあり、表象の外部ではなく内部で構築される「生産物」として考えねばならないだろう」 ここではアイデンティティよりもむしろ、その過程であるアイデンティフィケーションが重視される。 【ディアスポラ・アイデンティティ】p137 「ディアスポラ・ID」by ポール・ギルロイ:過去と未来という時間をつなぎ、そして複数の場所をつなぐネットワークとしてのアイデンティティを主張する目的で構想される、オルタナティブな公共圏を提示する。 ↓ 方法として起源(roots)に向かう直線的なアイデンティティの関係性より経路(routes)という移動のプロセスや、移動によって生成された媒介的なるものにアイデンティティを見出す、という移動性・移民性から思考する方法論である。Cf. 変わりゆく同一(changing same) 《歴史の政治学 by 北田暁大》p173 【3つの視座】 逸脱カテゴリーの社会的な創出過程に着目する「ラベリング理論」の系脈をひく「社会構築主義(social constructivism)」のアプローチと、労働者階級を中心とする被支配者階級、あるいは日常性(ordinariness)を生きる人々のリアリティを主題化することを初発の問題意識として掲げたCSは、相当な差異を孕みつつも、文化や社会に対するまなざしをある部分共有している。その共通した視座は以下の通り。 A. アイデンティティ構成にかかわる「反本質主義(anti-essentialism)」:ジェンダー、クラス、エスニシティといった属性アイデンティティを社会的・歴史的に構成されたものとして扱う。 B. 観察者の特権性の否定:分析者の特権性を否定し、当事者(社会構成員)による、「社会問題」「アイデンティティ」の定義づけに主眼をおく。 C. 政治性の重視:当事者による解釈=定義づけの過程を重視しつつ、そこに作用する社会的権力を見据える。また分析者の提示する分析そのものが内包する権力性も問題化していく。

Posted by ブクログ

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