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西洋の眼 日本の眼
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西洋の眼 日本の眼

高階秀爾(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2001/03/15
JAN 9784791758722

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商品レビュー

4.5

2件のお客様レビュー

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2015/04/28

何のエクスキューズもなく、突然始まる美術エッセイ? 一つ一つが、興味深くて面白い! 特に「浪裏」には、なるほど~!と。 読む本なくって困ってる時に、1個ずつゆっくり読みたいかな。

Posted by ブクログ

2013/03/11

浮世絵と聞いたとき誰のどんな絵を思い出すだろうか。人によってちがうのは当然だが、葛飾北斎の『富岳三十六景』の中の一枚、「神奈川沖浪裏」を知らない人はまずいるまい。画面いっぱいに描かれた白波が今にも彼方に小さく見える富士を飲み込もうとする構図は、中学校の美術の教科書などでお馴染みで...

浮世絵と聞いたとき誰のどんな絵を思い出すだろうか。人によってちがうのは当然だが、葛飾北斎の『富岳三十六景』の中の一枚、「神奈川沖浪裏」を知らない人はまずいるまい。画面いっぱいに描かれた白波が今にも彼方に小さく見える富士を飲み込もうとする構図は、中学校の美術の教科書などでお馴染みである。 ところが、それほど有名な絵であるにもかかわらず、この本を読むまで、そこにもう一つ「幻の富士」が描かれていようなどとは夢にも思わなかった。そう言われて、あらためて見てみると、何のことはない。画面中央より少し右に描かれた実在の富士とちょうど向かい合う位置に、今まで気づかなかったのが不思議なくらいにはっきりともう一つの富士が浮かび上がってくる。 地と図の反転で高坏にも少女が向かい合った顔にも見える絵などが有名だが、一度そう思って見てしまうと、今度はもはや何度見てももとの形には見ることのできない種類の絵がある。「浪裏」の第二の富士もそれと同じである。それでは、なぜ今まで誰にも気づかれずにきたのだろうか。 一つは、北斎の技巧があまりにすぐれていたため、この波頭が富士の相似形をなしていることに誰も気づかなかったのだろう。今一つの理由は、相似形と書いたが、正確には相似形ではない。波頭が描き出した富士は、甲州側から見たいわゆる「裏富士」だったからである。 「浪裏」という題名も、そう考えたとき初めて合点がいく。実在の富士は浪の向こうにあるわけで、裏ではない。ここは、浪の裏側、という意味と、「裏富士」の二つを掛けたものと読まねばなるまい。西洋には「騙し絵(トロンプルイユ)」という種類の絵画があるが、日本の浮世絵にもそれに類した戯れ絵は多い。ただ、そうしたものの多くは、はじめから分かるように描かれている。北斎のこの絵のように代表作中の代表作とも言える作品に、そんな仕掛けがあろうとは誰も思わない。北叟笑んでいる画狂人の顔が見えるようである。

Posted by ブクログ

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