伏魔殿 徳間文庫

松岡圭祐(著者)

• 販売会社／発売会社: 徳間書店/
• 発売年月日: 2001/12/15
• JAN: 9784198916336

商品レビュー

2010/05/28

作者松岡圭祐のこれま…

[文庫ＯＦＦ]

作者松岡圭祐のこれまでの作品が好きだったのでなんとなくよんでみました。最初のうちはなんなんだろうと思いながら読んでましたが、だんだんと不思議な世界に引き込まれる自分がいました。そして衝撃のラストはまったく想像できないもので、愕然としてしまいました。この作品はこれまでの松岡作品とは違い、スピード感はそれほどないにもかかわらず自分を引き離さない感じの独特なものでした。長々と話しましたが、これは自分の勝手な解釈ですのでその辺はご勘弁。結論はこの作品は面白いです、お勧めです。がんば

2015/08/29

冒頭はたんたんとした説明が多くて、読み難いかなと感じたが、間もなく物語りに引き込まれ、一気に読みました。
最後はなるほど、そうきたか！とすべての伏線が収集され、ましたが、物悲しい物語でした。

2013/11/15

タバコ屋の榎木康之は煙が充満する狭い店内で日がな過ごす｡
彼の人生は消極的でなげやりで中途半端でことなかれ的だった。
世間に取り残された彼は、世間に背を向けることで安寧を得ていた｡

両親も家族もなく暮らす50代の彼を探し求める一人の娘が現れた。
彼女は、榎木の幼馴染であり唯一の友の忘れ形見だった。
榎木はある事から地元に古くから伝わる祭の神人に選ばれた…。

物語は彼が選ばれた場面から始まり、回想そして再び現代に戻る。
主人公の榎木は哲哉の房州さんを彷彿とさせる無口な男。
亡き友の娘の訪問から、何やら再び彼の時間が動き出す。
しかしそこには陰謀渦巻く伏魔殿が待ち構えていた。

孤独な男の小学生から現代に亘る回想録は味わい深い。
が、現代に戻ってから急展開する推理サスペンスが面白い。
ｼﾞｪｯﾄｺｰｽﾀｰﾑｰﾋﾞｰ。晴れ晴れしたラスト。エンタテイメント。

白い煙は伊吹おろしに乗って、濃尾の平地を駆けていった。