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「テロリスト」がアメリカを憎む理由
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞社/ |
発売年月日 | 2001/11/10 |
JAN | 9784620315416 |
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「テロリスト」がアメリカを憎む理由
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アメリカでツインタワーが崩落したのが遠い昔のような気がする。その後、益々、ISILに象徴されるように、世界はテロに怯えるようになった。これらは宗教や格差、聖地を巡っての歴史的背景が原因となっている。アメリカが何故襲われたか?いや、では、アメリカが他国に何をしたかが理解できているだ...
アメリカでツインタワーが崩落したのが遠い昔のような気がする。その後、益々、ISILに象徴されるように、世界はテロに怯えるようになった。これらは宗教や格差、聖地を巡っての歴史的背景が原因となっている。アメリカが何故襲われたか?いや、では、アメリカが他国に何をしたかが理解できているだろうか。 スーゾン・ソンタグがこのテロに対する米国大統領の発言を批判し、テロリストの人権を認めるような発言をした事で、論壇から痛烈な反撃を受けた。しかし、彼女の批判は公平であり、物事の二面性を正しく理解しようとされていた。 その事をより深く理解するためにも、本著は有効である。テロリストは、その人たちから見れば、愛の戦士とも言えるのだ。死を賭して、戦わねばならぬ事態に目を向けねばならぬという事だ。自分で書いていてその通りなのだが、じゃあ、家族がテロルにやられたら?憎しみは終わらないのかも知れない。
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9.11の直後に書かれた本。あれから15年、ビンラディンは殺され、 ISILが暴れまわり、状況は変化したが、本書のテーマの重要性は変わっていない。ぼくらはイスラム過激派がアメリカを筆頭とする西欧諸国を敵視する理由をよく知らないし、はっきり言えばどうでもよいと思っている。 テロリ...
9.11の直後に書かれた本。あれから15年、ビンラディンは殺され、 ISILが暴れまわり、状況は変化したが、本書のテーマの重要性は変わっていない。ぼくらはイスラム過激派がアメリカを筆頭とする西欧諸国を敵視する理由をよく知らないし、はっきり言えばどうでもよいと思っている。 テロリストの理屈を理解しようとすることは、それ自体テロリストの思う壺だ、という感情論は理解できる。それはテロを非難しつつも、有志連合の空爆に異議を唱える文化人の発言が炎上したりすることからも伺える。テロリストの味方をするのか! というわけだ。 が、その一方で、著者が言うように、「テロリスト」は立場が変われば「自由の戦士」かもしれない。伊藤博文を暗殺した安重根は日本側から見ればテロリストだが、韓国では違うらしい。 極端な話、海のこっち側で生まれたかあっち側で生まれたかで変わるような理屈を「正義」と称するのはうさんくさい。それは「正義」に対する「悪」ではなくて、「われわれ」に対するただの「敵」ではないのか。 それで何が変わるわけでもない。「テロリスト」と戦うか、「敵」と戦うかだけの違いである。 ただぼくは、「正義」という言葉は別の機会にとっておいて欲しいと思うのだ。たとえば、学校に行こうとしているだけの少女を殺そうとした連中を非難するときなどに。
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9.11の時にツインタワー近くに住んでいたジャーナリストの著者が、あの惨劇のわずか2か月後に著した本。今となっては定説となっていることや、ビンラディンについて誰もが知っているようなことを、「あの時点から2か月」という短い期間でこれだけ端的にまとめ、本に仕立て上げていたということに...
9.11の時にツインタワー近くに住んでいたジャーナリストの著者が、あの惨劇のわずか2か月後に著した本。今となっては定説となっていることや、ビンラディンについて誰もが知っているようなことを、「あの時点から2か月」という短い期間でこれだけ端的にまとめ、本に仕立て上げていたということにまず拍手。9.11以前からビンラディンや「テロリスト」たちに深くかかわった報道をしてきた、著者ならではの功績です。 タイトルで、「テロリスト」とわざわざカッコ書きにしてある理由が、冒頭で述べられてます。 簡単に言うと、これも今は常識に近いですが「テロリストは、ある人たちにとっては自由の戦士である」という意味合いがあるのをきちんと整理しておくためと、さらに「ブッシュが世界をアメリカの敵か味方かに二分するために、テロ=卑劣な行為というイメージ戦略を用い、自らを正義の味方とした」というトリックと一線を画すため、としています。このあたりも著者の知性が出ていると言っていい。 中盤以降は、アメリカを含む西欧諸国が中東に対して行ってきた歴史的なお節介がどういったものだったのかについて、ざっくりと見ていく形になっているので、その辺はこの地域に詳しい人なら読み飛ばしてしまっても好いと思います。 全体を通じ、「テロリスト」たちがアメリカに対して抱いている憎しみや怒りを、歴史的・宗教的な観点から丁寧に省察した本となっています。イスラエルとパレスチナの問題、イスラム教に「背信」したとみなされるサウジアラビア王政のアメリカへの服従(「テロリスト」から見れば屈服)、異国において自国の軍が直接的にあるいは間接的に行なってきた殺人に対してアメリカ人があまりに無関心であったことへの怒り、そういった部分を包括的に理解するためには、ページ数は少ないものの有益な本です。 今、シリアへの攻撃に対しては多くのアメリカ国民が「No」と言っています。この世論も、仮にシリアがアメリカ本土で化学兵器を使ったり、アメリカの領土(もしくはイスラエル)にミサイル打ち込んだりしたら再びガラっと変わって好戦モードに突入するのかもしれませんが、少なくともブッシュ時代の稚拙なレトリックに惑わされるような状態ではない、というのが救いと言えば救いなんでしょう。 いい加減、「テロリストと戦う正義の味方」としてのマッチョなアメリカ、という衣を脱ぎ捨ててくれれば、多少は世界がすごしやすいのではないかなどとも、読み終えた後には思ってしまうのです。
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