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心の傷を癒すということ 角川文庫角川ソフィア文庫
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心の傷を癒すということ 角川文庫角川ソフィア文庫

安克昌(著者)

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心の傷を癒すということ 角川文庫角川ソフィア文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店
発売年月日 2001/12/20
JAN 9784043634019

心の傷を癒すということ

¥330

商品レビュー

4.3

16件のお客様レビュー

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2025/01/22

阪神淡路大震災から30年。精神科に関わる人間として、読まなければならない本。今回、100分de名著を見、ドラマの再放送を見て、原作であるこの本を読んだ。30年前の本のため、用語が現在では使われていないもので、やや戸惑いながら読んだ。この本が震災直後から書き始められていることに驚嘆...

阪神淡路大震災から30年。精神科に関わる人間として、読まなければならない本。今回、100分de名著を見、ドラマの再放送を見て、原作であるこの本を読んだ。30年前の本のため、用語が現在では使われていないもので、やや戸惑いながら読んだ。この本が震災直後から書き始められていることに驚嘆する。阪神淡路大震災の時に関東におり、高校3年生だった自分には、やはり遠い話であり、同じ受験生に対する気持ちはあったにしても、自分のことで精一杯だった。それが東日本大震災で自身が被災者となり、家族や友人に大きな被害はなかったものの医療者として震災を経験することになった。そして今、精神科看護に携わり、日々心の傷を癒すことに奮闘している。この流れに不思議な感覚になる。安先生の文章はとても優しく、所々で反省する文章が出てくる。常に被災者、患者さんの視点でみることを大事にしつつも、もちろん精神科医としての視点でも捉えている。そして、安先生の人生を通して、命ということを深く考える機会を与えてくれている。震災で亡くなったたくさんの命、安先生の命、安先生が助けた命、そして産まれてくる新しい命。震災の記録にとどまらず、命ということを考えさせてくれる読書体験になった。

Posted by ブクログ

2025/01/18

学生時代に住んでいた街。 友人も被災したり、つらかったりしたがやっと今年読めた。 心に寄り添うこの先生の記録は響いたと同時に当時何も出来なかった自分の情けなさを思い。 やっぱり辛い

Posted by ブクログ

2025/01/08

阪神淡路大震災に直面して、非常な衝撃を受けて現実感を失っている著者の様子が第一に焼き付いた。視覚的に見ることができる道路やビルの倒壊ではなく、避難所生活の「先が見えない」状況を身をもって味わっている手記の臨場感が文章によく表れていて、迫りくるものを感じる。 救援活動をする消防士...

阪神淡路大震災に直面して、非常な衝撃を受けて現実感を失っている著者の様子が第一に焼き付いた。視覚的に見ることができる道路やビルの倒壊ではなく、避難所生活の「先が見えない」状況を身をもって味わっている手記の臨場感が文章によく表れていて、迫りくるものを感じる。 救援活動をする消防士や看護師が経験するトラウマ(心的外傷。PTSD)の記載についても、目の前の命を救うことができなかった無力感や、凄まじい恐怖を冷静さで補おうとする心持ちのつらさを著者が目にしていたり、実際に携わっていた人が文章に残していたりする。救援者のための援助の必要性がとてもよくわかる。 これは東日本大震災や能登半島地震のことではないか?と思えるような記載が繰り返されていて、被災した時の感覚には共通している部分もかなりあるのではと思わされた。「心のケア」が言われ始めた時で、しかしその言葉だけが先走ることへの疑問も交えながら手記を記していることも印象的だった。「アクティブ・リスニング」という、聞き役に徹して相手のペースにゆだね、「事実→考え→感情」の順に話してもらおうとする聞き方を通して、心のケアを実践し続け、さらにこうした手記を残した著者のはたらきに敬服してしまう。 阪神淡路大震災は夜明け前に発生したことから、衝撃的な体験が視覚イメージでは残りにくく、人々は「体感」として記憶したとあり、「じっとしていても揺れている感じがする」とフラッシュバックしているという。同じ地震災害というものでも、発生する時間やタイミングによっても捉え方が全然違うのだなと改めて考える契機になった。 「今回の震災で「復興」という言葉が使われていますが、その言葉は嫌いです。私たちみたいな者にとっては、壊れたものは壊れたものとしてそのまま残るんです。心の傷は残ったままなんです。壊れたものや亡くした人を蘇らせることなんてできない。やり残ったままなんです。壊れたものや亡くした人を蘇らせることなんてできない。やり直すのではなく、また新しいものを作っていこうとしなければいけないんだと思います」(『黒い虹』) この言葉を残した人が、妻と娘を亡くし、男の子の赤ん坊と生き残った男性であり、著者とともに強く刺さる言葉だった。 また、著者自身も以下のように単なる「がんばれ」と発信することへの疑念を記載しており、どちらも最近の災害でも聞く言葉だなと思いつつ、その背後にあるトラウマや苦しみを認識できるようにしておきたいと思わされた。 「日本では、”がんばれ”と励ますことが習慣になっている。震災後、「がんばれ神戸」というキャッチフレーズが町中で見られた。だが、ロモの言うように、励ましたり批判したりせず、相手の話を傾聴することがいちばん大切である」

Posted by ブクログ

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