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心の傷を癒すということ 角川文庫角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 2001/12/20 |
JAN | 9784043634019 |
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心の傷を癒すということ
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
被災とは、建物の下敷きになることだけではない。生き残ってからがスタートなのである。 生き埋めになった人を助けられなかった自責の念に駆られ続けること。倒壊した建物を見てはその下でゆっくりと死を迎えている人がいるかもしれないと考えること。大切な人を失った悲しみに耐えながら生きること...
被災とは、建物の下敷きになることだけではない。生き残ってからがスタートなのである。 生き埋めになった人を助けられなかった自責の念に駆られ続けること。倒壊した建物を見てはその下でゆっくりと死を迎えている人がいるかもしれないと考えること。大切な人を失った悲しみに耐えながら生きること。プライバシーがなく住環境が整わない避難所で隣人と折り合いをつけながら生活すること。一切の娯楽がないまま一秒一秒時が過ぎるのをじっと待ちながら生きること。地震が起こる前と後の景色を重ねて地震がなかった未来を思いその度に絶望しながら生きていくこと。地震が起きる前に戻りたい、という叶わない願いを抱き続けること。あのときこうしておけばよかったと後悔すること。数ある苦しみを想像して、それがなるべく小さくなるようにすることが、防災そして減災になるのだと思う。 能登半島地震で被災された方々は、今まさに苦しみの最中にいる。その苦しみがどんなものなのか 知るためにこの本を読み返した。 心に傷を抱えた人がいるということを知っておくこと、忘れないことだけは、今の私ができることだと思った。
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本書の著者を知ったのは、本書の「序」も書いているが、中井久夫の本を通してだった。 心のケア、ボランティア、PTSDなど、今では当たり前に使われる言葉となったが、そのきっかけとなったあの阪神淡路大震災。著者は、自ら被災しながらも、現場の最前線で活動に尽力する。そして本書では、震...
本書の著者を知ったのは、本書の「序」も書いているが、中井久夫の本を通してだった。 心のケア、ボランティア、PTSDなど、今では当たり前に使われる言葉となったが、そのきっかけとなったあの阪神淡路大震災。著者は、自ら被災しながらも、現場の最前線で活動に尽力する。そして本書では、震災直後とその後のケア、避難所や仮設住宅をめぐる現実、救護システム構築の難しさやボランティアの役割などについて著者の問題意識に立った率直な思いが綴られる。 また特に著者の専門とする精神医療については、時間の経過や環境の変化に応じて、障害の状態や子どもたちの状況がいかに変化していくか、そしてそうした人たちに寄り添うことの大切さなどが分かりやすく論じられている。 著者が家族を残して若くして亡くなってしまったことを知っているだけになおさら、著者のメッセージを大切にしていきたい。
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河村直哉氏の解説に安医師の文章を載せている。これがこの本の全てかなと思う。「苦しみを癒やすことよりも、それを理解することよりも前に、苦しみがそこにある、ということに、われわれは気づかなくてはならない。だが、この問いには声がない。それは発する場をみたない。それは隣人としてその人の傍...
河村直哉氏の解説に安医師の文章を載せている。これがこの本の全てかなと思う。「苦しみを癒やすことよりも、それを理解することよりも前に、苦しみがそこにある、ということに、われわれは気づかなくてはならない。だが、この問いには声がない。それは発する場をみたない。それは隣人としてその人の傍らに佇んだとき、はじめて感じられるものなのだ」
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