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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | マガジンハウス |
発売年月日 | 2001/06/21 |
JAN | 9784838712410 |
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
旅先(広島)の古本屋で購入、帰りの新幹線で読み始めるも、面白さに驚いております。英国の書評が示す`文化の奥行き`であります。どこから読んでも、面白い。小説家が`サルマン・ラディッシュ`が語る`カズオ・イシグロ`、そして、丸谷才一の`たった一人の反乱`を評し`いっぱいのチャーハン`...
旅先(広島)の古本屋で購入、帰りの新幹線で読み始めるも、面白さに驚いております。英国の書評が示す`文化の奥行き`であります。どこから読んでも、面白い。小説家が`サルマン・ラディッシュ`が語る`カズオ・イシグロ`、そして、丸谷才一の`たった一人の反乱`を評し`いっぱいのチャーハン`とは、なんとも素晴らしい世界であります。
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丸谷才一の選ぶイギリス名書評の翻訳集。選んで並べただけでなく、全書評に対して丸谷さんのコメントも添えられている。面白いのはこの丸谷評の部分で、正直いうと書評本体は読み飛ばしたものもいくつかある。 それでも、取り上げられたそれぞれの本をめぐって「読む」と「書く」とが幾重にも交差す...
丸谷才一の選ぶイギリス名書評の翻訳集。選んで並べただけでなく、全書評に対して丸谷さんのコメントも添えられている。面白いのはこの丸谷評の部分で、正直いうと書評本体は読み飛ばしたものもいくつかある。 それでも、取り上げられたそれぞれの本をめぐって「読む」と「書く」とが幾重にも交差する中に身を置くような不思議な読書体験は、他にはない面白さだった。 ある作家が本を書き、それを読んだ人が書評を書き、その両方を読んだであろう丸谷さんが書評の評を書き、私は書評と書評評を読む。対象作品が英語以外で書かれたものの場合、作品の英訳というプロセスも挟まる。書評はもちろん英語から日本語に訳されているが、「この箇所は何年どこ出版の誰それによる和訳を参照した」という訳注が頻出する。複雑だ。 私に届くまでにこれだけ多くの人が読んだ書いたの大乱闘を繰り広げているというのに、出発点になっている作品のうち私が「読んだことある」と堂々と言えるのはひとつかふたつくらいだ。しかしそれでも、意外と読書として成立した。飛ばし読みしているとは言え、飽きずに読みきった。むしろ楽しかった。読んだことのない/知らなかったたくさんの本と"顔見知り"になれたようで、妙に豊かな気分だ。 そういうわけだから、「本というのも『読む』だけが全てじゃないよな」なんて都合のいいことを思う。積ん読とか、気になる本とか、読み掛けて止まってる本とか、解説や概要をどこかで聞いたからもはや読んだようなものだと思っている本とか。心の本棚は無限。 その一方で、「やっぱり本は実際に読んでなんぼだ」という気もする。知らない本の話をされても身が入らないから飛ばし読みするのだ。「で、あなたは読んだの?」と鋭く問いかけてくる筑摩書房のしおりのお姉さんの姿が胸に去来する。読んでません。 ところでこの本は、読みたいところから読むのもいいけれど、私は始めから順々に読んでいって良かったと思う。というのは、さっきの書評で評されていた作品の作者が次の書評では評者になっていたり、それを受けて丸谷さんが「小説家の書く書評はこれこれこういうところがいいよね」「やっぱり彼は彼をライバル視するところが少なからずあったのかな」などと言っていたりして、丸谷コメントがより楽しめたからだ。並べた順に読んで欲しかったんじゃないかなと思う。ただし、そうするとなぜトリがマドンナ写真集『SEX』なのか、その意図はわからない。 あと、和田誠の装丁もすてき。
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※このレビューにはネタバレを含みます
イギリス書評のアンソロジーである。それも長い物が多く、ほとんど評論と言っていい。訳者は粒揃い。取り上げられた本も、古典から村上春樹までバランスよく配置されている。肝心の書評家はサルマン・ラシュディやデイヴィッド・ロッジのような顔なじみばかりではないが、編著者お墨付きの芸達者揃い。しかも、全編について、丸谷才一の解説付き。おまけに、書評という藝についての蘊蓄満載とくれば、書評に関心を持つ向きは何はさておき手許に置いて繙かねばなるまい。 巻頭に掲げられた「イギリス書評の藝と風格について」で、丸谷は、まず、イギリス書評の持つ魅力について触れている。小説家の書いた書評にジャーナリスト批評家の物にはない趣向があることについて述べた後、イギリス書評の特徴を挙げている。 その一。書評は、まず本の内容の紹介である。それを読めば問題の新著を読まなくても社交上の会話が成立する程に。その際、著者や彼の主題の背景を手際よく説明することが不可欠である。 その二。紹介の次に大事なのは評価である。掲載紙の格式、傾向をもとに読者が書評を参考に、当の本を読むかどうかを決めるからである。そのため、主任書評家はスター扱いを受けている。 その三。文章に魅力がなくてはならない。流暢、優雅、個性の三つの美質を兼ね備えない書評家はいない。たとえ、毒舌を売り物にする書評家であっても、である。 その四。先に述べたものより高い次元の機能として、批評性が挙げられる。当の新刊本を契機にし、「見識と趣味を披露し、知性を刺激し、あはよくばいきる力を更新する」という働きである。 その五。長文の書評が多い。イギリス書評は紙数を充分に与えられていて、長文の評論を書くことができる。書評はそのまま評論に通じる仕組みになっている。 一つ一つの作品が、イギリス書評の名人藝の見本帳となっていて、それにつけた丸谷の解説を読みながら本編に入る仕掛けになっている。たとえば、書評は書き出しが大事、と述べた後で、「わたしにとって、この世でもっとも魅惑にみちた主題は性と十八世紀である」という書き出しを持つブリジッド・ブローフィーの『ファニー・ヒル』についての書評を取り上げて見せる。そこから、丸谷にある、こういう軟文学を好んで取り上げる傾向は、イギリス書評界に影響を受けたものであったのか、などということも分かるのである。 イギリス書評という、「ほとんど未紹介の読物」をネタにして、我が国の書評の未成熟な部分、書評文化の貧しさを背面から撃とうという試みが、成功したかどうかは今後の動向を見るしかない。書評というジャンルに関心を持つ一人としては、イギリス書評の持つ大人の余裕、ヒューモアの感覚など、お手本にしたい「藝」を堪能させてもらったことを丸谷氏に素直に感謝したい。
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