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池内紀(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2001/09/10
JAN 9784087745290

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商品レビュー

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2019/11/02

かなり長い間(今調べたら、9年くらい…汗)積読であった本書。たまたま手にする機会ができ、とうとう読了できた。やったね。 酒好きで女好き、旅好きで玄人はだしの画家でもあり、石の収集が趣味で、骨相学や気象予報にも知見がある。十代の頃はノラクラ学生、二十代で小国の官僚にまでなったくせ...

かなり長い間(今調べたら、9年くらい…汗)積読であった本書。たまたま手にする機会ができ、とうとう読了できた。やったね。 酒好きで女好き、旅好きで玄人はだしの画家でもあり、石の収集が趣味で、骨相学や気象予報にも知見がある。十代の頃はノラクラ学生、二十代で小国の官僚にまでなったくせに、次々恋愛をしては結婚話に近づくと逃げ足が早く、同棲して子どもができても籍はいれず、偽名を使って国を逃げ出し3年も留守にする。挙句に70歳で17歳の娘に結婚を申し込むなど、軽はずみで落ち着きがないこんな人物があの文豪ゲーテだなんて、一体だれが信じよう。 池内氏をして「こんなに楽しく、おかしな人が、どうして文豪ゲーテなどと、重々しいだけの人物にされてしまったのだろう」と宣っている。 読めば読むほど、好奇心旺盛で、変わり者だけど憎めない、ゲーテという人の人物像が浮かび上がる。 しかしながら、そこはやはり文豪ともてはやされるだけのことはあった。筆まめにも、何かにつけ気づいたこと思ったことを細々と書き留め、たまたまそこにあった紙切れに書いたようなメモであっても、のちに推敲しきちんと清書して保管していたらしい。 小国とはいえ、一国の財政を担う責任の重い立場にありながらなかなか思うように事が運ばず、悩ましい日々も多かったのだろう。言葉という内的世界に耽り、現実からしばし離れて思いを形にすることが、精神的な支えになっていた部分も大いにあったに違いない。自分が連載していた雑誌に、小蘭の埋め草として書き留めたものを掲載してもらうこともあったようだ。 まあ、だからこそ雑多な日常のメモ書きのようなものまでが、もったいぶったタイトルと共に全集に収蔵されてしまったりもするのだろうが。 本作ですっかりゲーテを見る目が変わってしまった。 変に才能溢れる崇高な人物であるよりも、突出した能力の、あたかもその反動で生み出されたような奇妙さが、実は天才と呼ばれる人の魅力なのかも。 想像以上に面白く、もっと早く読むんだったな、とちょっと思っている。 今度はゲーテの詩集でも読んでみるかな。

Posted by ブクログ

2019/09/15

先ごろ亡くなられた池内紀さんの作品。文豪と言われるゲーテだが、実際には人間味溢れる人だったこを生涯の各シーンにおけるエピソードで紹介。教育パパの厳しい指導があったこと、女性が好きだけど結婚するタイミングではことごとく逃げてしまうこと、仕事で悩んでイタリアへ逃亡するように旅行にいっ...

先ごろ亡くなられた池内紀さんの作品。文豪と言われるゲーテだが、実際には人間味溢れる人だったこを生涯の各シーンにおけるエピソードで紹介。教育パパの厳しい指導があったこと、女性が好きだけど結婚するタイミングではことごとく逃げてしまうこと、仕事で悩んでイタリアへ逃亡するように旅行にいってしまったこと、石、骨といった物に取りつかれたようにハマっていたこと、そして大酒のみだったこと。 ゲーテの生きた時代からこれだけの年月が経っているのに、こんなに素敵なエピソードを集められるなんて、さすがです。

Posted by ブクログ

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