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対訳でたのしむ半蔀 対訳でたのしむ
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三宅晶子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 檜書店
発売年月日 2001/07/23
JAN 9784827910285

対訳でたのしむ半蔀

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2024/02/07

「対訳でたのしむ」能のシリーズ。 源氏物語を題材にした能はいくつかありますが、これもその1つ。 第四帖「夕顔」に出てくる女性が題材です。 夕顔の君は下賤の人というわけではないのですが、少々わけがあって市井に住んでいます。その近所を訪れた源氏が、半蔀が印象的な夕顔の君の家の垣に咲...

「対訳でたのしむ」能のシリーズ。 源氏物語を題材にした能はいくつかありますが、これもその1つ。 第四帖「夕顔」に出てくる女性が題材です。 夕顔の君は下賤の人というわけではないのですが、少々わけがあって市井に住んでいます。その近所を訪れた源氏が、半蔀が印象的な夕顔の君の家の垣に咲く花に目を留めたことがきっかけで、2人は恋仲となります。しかし、この恋は恐ろしい悲劇に見舞われ、幕を閉じることになります。 半蔀というのは平安時代に使われた格子付の板戸で、上下に分かれ、上半分が吊り上げて開くようになっています。能のこの演目では、半蔀に夕顔が絡まった作り物を使います。 複式夢幻能の1つといってよいかと思います。前半・後半に分かれています。 前半は、夏の修行が一区切りし、毎日供えた花を供養していた僧のところに不思議な女がやってきます。女は夕顔の花を手向け、五条あたりに住んでいるといって姿を消してしまいます。 後半、さては源氏の君ゆかりの夕顔の君か、と悟った僧は五条あたりを訪ねていきます。そこに現れたのは夕顔の幽霊。源氏の君との出会いの思い出などを語り、舞い、僧に自身の菩提を弔うように頼み、夜明けとともに消えてしまいます。あるいは僧の夢だったのかもしれません。 夕顔の君の儚さが主題であるような演目です。 夕顔の花は、なよやかで手折るとすぐにしおれてしまいそうな花。夕顔の君も儚い運命の人でした。 源氏に出会う以前、彼女は源氏の友人である頭中将の思い人だったのですが、中将の正室にそれを知られ、追い立てられて市井にひっそりと暮らしていたのでした。そして源氏と巡り合い、幸せになれるかと思ったのも束の間、逢瀬のさなかに、源氏の思い人の1人である六条御息所の生霊に取り殺されてしまうのです。 ただ、本作の中には、そうした詳細は出てきません。 観客は背景を知っていることが前提で、夕顔の君の儚さに思いを馳せるというところでしょう。 女の語りには「和漢朗詠集」や「源氏物語」の文言や歌がちりばめられています。能の鑑賞には教養が必要だったんだろうなと感じさせます。 本作の作者は内藤左衛門と言われており、16世紀初めころの人かと思われます。 ちょっとおもしろいのは、架空のお話であるはずの「源氏物語」がまるで本当にあったことのように扱われているのですね。登場人物が幽霊として現れるというのですから。 現在でも、夕顔が住んでいたという伝説の地には石標が建てられています。この碑の奥の民家の庭には、夕顔の墓というのもあるらしいです(江戸時代の好事家が建てたもの)。 南北は、地下鉄の四条と五条の間くらい、東西は、烏丸通と鴨川の中間くらいといった場所です。この辺り、平安時代には庶民の住む場所という感じだったのでしょうか。 夕顔ゆかりの地、先日、所要のついでに見に行ってみました。お店もちらほらありますが、繁華街の喧騒からはやや外れて、比較的静かな界隈です。

Posted by ブクログ

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