プロになるための文章術 なぜ没なのか

ノアリュークマン(著者), 池央耿(訳者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2001/06/27
• JAN: 9784309203515

商品レビュー

2021/02/14

小説でどうすれば良い文章が書けるのか、という観点から書かれた本。
様々な要素から、例文を用いてなにが悪文でどう直せばいいのかを提示しているので読みやすい。
翻訳された本ではあるものの、充分日本語での文章でも役に立つ。

2013/10/24

読んでいて飽きる文章、何が言いたいのか分からない文章、メインテーマがぼやけてしまっている文章、支離滅裂な文章、「だから何？」と言いたくなる文章。

仕事で（それどころか、時には金を払ったちゃんとした本であってさえも！）たまに出くわす、読めない文章、もしくは読みたくない文章を書かないようにするために、どういった点に気をつけなければいけないかということについて詳しく説明しています。著者は小説の著作権代理人なので、必然的に取り上げられている例のほとんどが「小説の文章」ですが、一般的な報告書や広報文なんかを書く時にも参考になりそうな知識が詰まってます。
とは言え、中盤以降は会話の置き方や話の筋の展開のさせ方といった、小説には必要不可欠である一方、その他の文章ではほとんど出てこない要素についての説明になるので、一般の人の役に立つとしたら序盤までかな。

読めない文章を書く人ほど、やたらに難しい単語を粋がって使いたがる、形容詞や副詞でゴタゴタと装飾したがる、ダラダラと長い文章を書くことで知的ぶったイメージを持たせたがる、といったところは共感できる部分が多々あります。その辺だけ拾い読みしても十分に楽しい。

2013/02/16

初心者、または、明後日方向に気分がのってくると陥りやすい 悪文の ”本当のこと” が書いてあるので、読むと一気に目が覚める一冊。
大変わかりやすく、透明なナイフが心にぐっさり、ぐさぐさ！たくさん刺さります。

基本は英語の投稿小説作品への検証ですが、読み物としても大変面白いです。
文章のダメなポイントは、万国共通なのだなと思いました。

文章を好き勝手書くのは大変気持ちいいし、非常に楽しいですよね。
だけれども、たまに手をとめて、宇宙の彼方から観察してもわかるかどうか見極めないと、新しい言語を開発しているような重大な事態に陥るので、大変危険だと改めて感じました。

本書の各所に散りばめられた著者さんの突っ込みが秀逸です。
『無意味な表現は削ることだ。読者は国勢調査員ではない。（ P94より引用）』
この一言で、私は30分ぐらい笑いがとまりませんでした。

海外の実用本は、この手の突っ込みが神憑っている＆お決まりなので結構好きです。