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国家と革命 ちくま学芸文庫
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国家と革命 ちくま学芸文庫

ヴラジーミル・イリイッチレーニン(著者), 角田安正(訳者)

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国家と革命 ちくま学芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 2001/08/08
JAN 9784480086570

国家と革命

¥440

商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2011/03/04

『革命と反革命』(エンゲルス)に次いでマルクス主義の国家論やプロレタリア独裁を考える意味で綱領的意味合いを持って読んでみた本書。 かつて埴谷雄高がアナーキストからマルクス主義に”転向”させるきっかけを与えた書物であり、その後『革命と国家』という論文まで手掛けているほど。 本書は、...

『革命と反革命』(エンゲルス)に次いでマルクス主義の国家論やプロレタリア独裁を考える意味で綱領的意味合いを持って読んでみた本書。 かつて埴谷雄高がアナーキストからマルクス主義に”転向”させるきっかけを与えた書物であり、その後『革命と国家』という論文まで手掛けているほど。 本書は、一読するだけでマルクス・エンゲルスの初期から『共産党宣言』を経て晩年に至るまでのプロレタリア独裁無くしては革命はなく、アナーキストだけではなくプロレタリア独裁不要論のプレハーノフ、社会民主主義の代表格とされるカウツキーに対する容赦のない批判が展開されている。 それは他ではなく、1905年と1917年のロシア革命の中で労働者ソビエト(評議会)が権力を握り、圧制者の権利を奪取するためにも独裁が必要であり、労働者国家は必要だとする。あるいは、労働者国家になったとしても資本主義制度の残存が存在し、敵階級を制圧したあと真に自由になった時点で国家は「廃絶される」のではなく「死滅する」とする。これは、社会主義から共産主義に至る「過渡期」の考察も含まれた書物である。徹底的にマルクス以上にレーニン(ロシア革命)版マルクス主義であり、一点の曇りもなく、孤高ではあるが力強く次なる社会の絵図を示している書物である。レーニンは、この考察を経て、ロシア革命の考察を描こうとしたがそれも遂にならず、他の人間のその後のロシア革命史や回想の中で豊富化されると考えたようだが、皮肉にもプロレタリア独裁がスターリンを生み出し、コミンテルンのジグザグ政策によってソ連が防衛されながら官僚と軍事(レーニンが最も注意深く官僚と軍隊が必要なくなると注記していた)がはびこる社会が既成の社会主義国家だった。チェコやアフガニスタンの自由を戦車で武装し踏みつぶす、敵階級どころか同じ社会主義に対しても制圧を行った歴史的な「敗北」は真に反省されたと言えないだろう。 その点で、ロシア革命のその後を考察する意味で、訳者の「あとがき」もピリリと辛いエッセンスとなっている。いずれにせよ、本書は歴史的にも実践的に考察し抜いた国家論であり、同時に既存の「社会主義」の崩壊を予言した皮肉な内容となっているのは間違いないだろう。繰り返し注意深く読む必要があると思った。

Posted by ブクログ

2010/01/21

86年前の1924年1月21日に53歳で生命体としては終了した(亡くなった)ロシアの革命家。 というのも、姿形というか遺体は特殊な防腐加工されて、見た目は生きていて眠っているように施してあり、今でも見世物じゃなくて拝謁できるようにしてあります。 私は、これを、生き神様じゃ、と...

86年前の1924年1月21日に53歳で生命体としては終了した(亡くなった)ロシアの革命家。 というのも、姿形というか遺体は特殊な防腐加工されて、見た目は生きていて眠っているように施してあり、今でも見世物じゃなくて拝謁できるようにしてあります。 私は、これを、生き神様じゃ、とかなんとかいって何年か前ロシアに行った時に、レーニン廟で実際に見ましたし、父は大阪万博の際にソ連のパビリオンで見たと証言しております。 やっぱり、レーニンを読んで何がしかの感慨をもった人は、死んでも死にきれない彼の姿は見ておくべきかもしれません。 そこに、スターリンがなにがなんでも独裁権力維持のためには、人間の尊厳すらないがしろにするのも厭わなかったという悪魔のような人物だったという認識を改めて確認する意味でも。 マルクスもレーニンも、没頭したしばらくは私のヒーローみたいな存在でしたが、目を彼らの外へ向けてみるとき視界がパッと開けて色あせてしまいましたが、いっときは本当に夢中でした。 国家意識なんてものも、今どきそんな古臭いものをという気持ちでいっぱいでしたが、本書をはじめ一連の彼の著作は、改めて国家とは、民族とは、支配被支配とは、階級とは何かということを根本から考えさせてくれるレッスンの始まりでした。 『哲学ノート』や『唯物論と経験批判論』や『帝国主義論』、そして『なにをなすべきか』に『文学と芸術について』それから『一歩前進二歩後退』、それに本書を含めた7冊は文庫でも出ていて、私は不慣れなこれらの理論書を解読するために、家で線を引いたり書き込んだりして読む一冊と、外出する際に20頁だけ分解して(破って)持ち出すための一冊と、後もう一冊は普通の何も手を加えないものを用意して挑みました。 なんとか、中途半端じゃなくて我がものにできるように読み解きたいと思って、ない知恵を絞って工夫しましたが、さて、身についたのかどうか怪しいものです。 でも、笑っちゃいますね、『なにをなすべきか』とか『一歩前進・・・・』はガチガチの前衛党組織論ですから、教条主義との闘いとか陰謀とか、夢見る文学少女が何もわざわざピラニアのいる海に裸で飛び込むような無謀な取り組みなど、今から考えるとよくまあ大胆にも酔狂にもやったものだと我ながら驚きます。 これは、以前にも書きましたが、マルクス・レーニン主義なかんずく共産主義はファンタジーの変種だという認識で、こんなことは誰も言っていません、私の勝手な思い込みですが、このファンタジーは一度夢中になると実に始末が悪くて、どうしても目の前に実物を作りたくなってしまって、いや、なにしろ世界広しといえど自らのビジョン・幻想・妄想を具体化・具現化しようとして実際にやった人はそう何人もいない狂気の沙汰であって、興行としてディズニーランドを作ったのがウォルト・ディズニーであり、世界征服のためにナチスを作ったのがヒトラーであり、人民のためにといってレーニンやスターリンや毛沢東や金日成が強制国家を作ってしまうという、まったくとんでもない愚行を犯している訳です。 ファンタジーなんて空想しているうちが華なのに、他人を巻き込んでまでも自分の強欲な実現を果たそうなどと愚かな輩にならないように、みなさんお互いに気をつけましょうね。

Posted by ブクログ

2008/03/01

レーニンの国家死滅論。ブルジョアジーの打倒・ブルジョア議会制の粉砕・コミューン型の民主共和制の樹立・革命プロレタリアートの独裁の確立が説かれている。マルクス・エンゲルスの国家観がとかれ(『反デューリング論』など)、カウツキーらを日和見主義者として批判している。レーニンの主張は血を...

レーニンの国家死滅論。ブルジョアジーの打倒・ブルジョア議会制の粉砕・コミューン型の民主共和制の樹立・革命プロレタリアートの独裁の確立が説かれている。マルクス・エンゲルスの国家観がとかれ(『反デューリング論』など)、カウツキーらを日和見主義者として批判している。レーニンの主張は血を見るものであるが、その背景には第一次世界大戦の悲惨がある。マルクス主義は人間の悪を理解していないようにいわれるが、その政治思想は空想の産物ではない。これはきちんと読めば分かることである。しかし、共産主義の初期段階における社会主義の失敗はトロツキーも指摘している所であるから、何かしら欠陥はあるのではないかと思われる。とくに革命プロレタリアートの堕落といったことにはふれられていないのが重大な弱点ではないかと思われる。ともあれ、中国の文革など、現代史の側面を理解する上でも重要な著作であることはまちがいない。官僚については、韓非子などにも省察があるが、結局、想定外の愚者が権力を奪取することに対するセキュリティーの思想がない点が残念であるが、それは資本主義にもいえることである。

Posted by ブクログ

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