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第三の銃弾 完全版 ハヤカワ・ミステリ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房/ |
発売年月日 | 2001/09/15 |
JAN | 9784150704117 |
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第三の銃弾 完全版
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
最初中篇として発表さ…
最初中篇として発表された「第三の銃弾」の完全版。シンプルながら、読ませます。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カーター・ディクスン名義で発表された作品だが、主人公はおなじみのH・M卿ではなく、短編でおなじみのマーチ大佐の前身であるマーキス大佐。発表当時、エラリー・クイーンの片割れ、フレデリック・ダネイが大幅に削除したそうだが、今回はそれらを含めた完全版である。 物語の謎自体、シンプルながら、どこか辻褄の合わない論理の違和感でどんどん話を膨らませていく作品で、読中、セイヤーズの作品を想起した。 今回は登場人物たちがそれぞれ何らかの嘘をついていることがテーマか。嘘をついていることで殺人計画が予想外の方向転換を余儀なくされた結果、2発の銃声に3種類の銃弾が発生するという奇妙な事件を招く。 この、どうにもすわりが悪い状況設定を最後に論理で解き明かしていくのは素晴らしい。 今回の作品の特徴として、新たな事実が発覚するにつれ、また新たな謎が生まれる畳み掛けの手法が挙げられる。カーの持ち味とも云うべきこの手法だが、今回はこの畳み掛け方が絶妙だった。 銃声2発に対し、犯人から発射された銃弾は1発→現場で発見された別の銃の意外な持ち主→遺体から摘出された銃弾がその2丁の拳銃のどれでもない第3の銃弾だった→第3の銃の意外な発見場所→奇妙な窓の足跡→第2の殺人の発生、と謎また謎の連続である。 しかも220ページの薄さでこれだけの状況展開を繰り広げられるから物語のスピード感が違う。今までのカー作品の中でも随一の速さを誇っていると思う。 そして今回嬉しかったのが部屋の見取り図がちゃんと付いていた事。コレがあるのと無いのとでは物語の理解度が違う。 そして田口氏による改訳により、いつもの時代がかった大仰な表現が鳴りを潜め、非常に読みやすかった。 犯人は今回も意外だった。事件現場にいないであろう人物その人だったからだ。 しかしこれについて衝撃を受けるようなほどでもなかった。ただし、状況は整然と整理され読者の前に提示された。 しかし、やはり窓の足跡については蛇足であると感じた。他者へ疑惑の目を向けるための工作だったが、開かない窓から脱出する足跡という謎は魅力的だったものの、その存在を十分に納得させるだけの論理性は薄弱だと感じた。 恐らくダネイはこの部分を削除したのではないだろうか(後で解説を読むと、どうやら削除されたのは登場人物の描写が中心らしい)? しかし御大カーの作品を削除して発表させる事が出来るのはこの人ぐらいだろう。この2人による贅沢なコラボレーションは当時、かなり話題だったに違いない。
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不可能犯罪捜査課シリーズのマーチ大佐の原型となった、マーキス大佐が活躍する非シリーズもの。かっこいいなぁ。マーキス大佐。 引退した判事を「殺してやる」と脅していた青年。かけつけた警察の目の前で銃声が響き、直後に部屋に飛び込んだところ、そこには元判事の死体と銃を握りしめた青年が。...
不可能犯罪捜査課シリーズのマーチ大佐の原型となった、マーキス大佐が活躍する非シリーズもの。かっこいいなぁ。マーキス大佐。 引退した判事を「殺してやる」と脅していた青年。かけつけた警察の目の前で銃声が響き、直後に部屋に飛び込んだところ、そこには元判事の死体と銃を握りしめた青年が。がしかし、判事の命を奪った銃弾は、この銃から発射されたものではなかった…。 カーの作品によくある怪異系のおどろおどろした雰囲気はなく、さらりとしてて読みやすい。関係者に話を聞くたびに、謎が広がっていき全員が怪しいんじゃないかと思えるほど(笑) ラストの謎解きがちょっと飛躍しすぎじゃないかという気がしなくもないですが(マーキス大佐の犯人の心理分析について「ええーそこまで犯人の心理が読めちゃうのー?」とつっこみたくなり…中編だからしょうがないか)、タイトルでもある「第三の銃弾」ネタの発想が面白かったので良しとします。
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