1,800円以上の注文で送料無料

風景の事典
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

風景の事典

千田稔(編者), 前田良一(編者), 内田忠賢(編者)

追加する に追加する

風景の事典

定価 ¥2,860

550 定価より2,310円(80%)おトク

獲得ポイント5P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 古今書院/
発売年月日 2001/06/15
JAN 9784772214186

風景の事典

¥550

商品レビュー

2

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2016/07/07

この年は,本書と同じ編者の2人,千田氏と内田氏の監訳によって,地人書房から『風景の図像学』が出版された。私も2章ほど参加している。古今書院は東京の,地人書房は京都の地理学専門出版社だ。『風景の図像学』は今でも地理学における風景・景観研究の代表的な研究論文集だが,本書は地理学者が多...

この年は,本書と同じ編者の2人,千田氏と内田氏の監訳によって,地人書房から『風景の図像学』が出版された。私も2章ほど参加している。古今書院は東京の,地人書房は京都の地理学専門出版社だ。『風景の図像学』は今でも地理学における風景・景観研究の代表的な研究論文集だが,本書は地理学者が多く執筆に参加しているものの,学術的な側面よりも「読み物」として楽しいというものを目指したもの。321ページで110項目だから,辞書と論文集の間くらいか。1項目に3-4ページがあてられている。 せっかくなので,110の項目を全て書き写してみた。 はじめに 第一章 風景の周辺 風景/景観/原風景/『風土』/景観生態学/スケッチ/絵図/心象風景/人工環境/名所図会/『日本風景論』 第二章 風景の見方・とらえ方 遠近法/歌枕/絶景/遠景/幻影/国見/洛中洛外図/金沢八景/ナショナルトラスト/サウンドスケープ/『作庭記』/風土記/戦場/初雪/総合設計制度/近江八景/横浜絵 第三章 シンボルとしての風景 奥/夢/雲/銀座/一等地/山の手/都市/下町/田舎/リゾート/トンネル/塔/丸屋根/川/旗 第四章 自然と生きる風景 海/半島/浜辺/湖/沼/湿地/滝/山/坂/森/熱帯雨林/照葉樹林/丘/砂丘・砂漠/原野/花畑/里山/水郷 第五章 風景となった歴史 歴史的景観/歴史街道/城下町/門前町/寺町/環濠集落/旧市街/跡地/条里制/条坊制/遺跡/古墳/ごみ/散村 第六章 非日常の風景 神仙郷/巡礼/地獄/無縁の地(場所)/魔所/異界/不思議の場所/神奈備山/神社/境内/広場/辻/墓地 第七章 暮らしの中の風景 別荘地/果樹園/病院/ワンルーム/顔/家族/散歩/張り紙/おんぶ/灯/ロードサイド/ニュータウン 第八章 集いの風景 盛り場/百貨店/スーパーマーケット/ホテル/渡し場/酒場/祭り/港(町)/レジャーランド 執筆陣は以下の通り。肩書きは当時。 内田忠賢(地理学教員)/内山哲久(会社員)/右梅恵津子(フリーライター)/小田匡保(地理学教員)/佐野静代(地理学教員)/杉谷 隆(地理学教員)/千田 稔(地理学教員)/土居 浩(地理学教員)/廣重友子(地理学大学院生)/前田良一(ジャーナリスト)/松田隆典(地理学教員)/山田志乃布(地理学教員)/山近久美子(地理学教員)/山近博義(地理学教員) 編者の千田 稔氏は地理学のなかの出世頭。地理学専門出版社以外にも多くの著作があり,最終的には国際日本文化研究センターの教授を勤めた。学術的な内容から一般書まで著作は多岐にわたる。内田氏も学術的な論文よりはくだけた文章を書くのが得意な人物。その地理学者2人にジャーナリストという肩書きの前田氏が加わり,執筆陣にもフリーライターが含まれている。 確かに,本書は堅苦しい議論は抜きに読み物として編集されている。私のような読者でもいくつかの項目は楽しく読めた。しかし,「読み物として楽しい」というのはどのような読者を想定しているのであろうか。この出版社の読者であれば,やはり学校の地理の教員だろうか。まあ,そういうことにしておきましょう。 項目は多岐にわたるが,同じ章に自然地理学的項目が集中したり,歴史地理学的項目が集中したりして,執筆陣のなかの唯一の自然地理学者である杉谷氏の文章が続いたりする。杉谷氏は人文地理学の領域にもある程度精通していて本書の執筆者としては適していると思うが,文体がちょっと皮肉っぽいところがあり,鼻につくところもある。 本書は丁寧に項目が選ばれたり,それに適した執筆陣を選んだりという編集作業にさほど重きを置いていないように思う。むしろ,編者の知り合いの中から,本書の目的に賛同してくれる執筆陣に声をかけ,ある程度項目の選出と内容は執筆者に任されている,そんな印象を受ける。まあ,少なくとも私のような読者にはあまり「読んで楽しめる」本ではなかった。個人的には廣重さんの文章はけっこう楽しめた。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品