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半七捕物帳 新装版(五)
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半七捕物帳 新装版(五)
¥495
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
色褪せない魅力で、百…
色褪せない魅力で、百年近くにわたって読み続けられるこのシリーズ。江戸時代の情緒や風俗を感じられる美しい文が素晴らしい。
文庫OFF
芝居好きの半七親分……ということは著者がそうで、「河豚太鼓」で子分の弥助のことを、「千本桜」から鮓屋という綽名が付けられたと書いている。義太夫語りの落語に親しんでいなければ、何のことか判らなかったろう。「幽霊の観世物」では江戸の小屋掛けのルールが知れて面白い。当時はお化け屋敷で人...
芝居好きの半七親分……ということは著者がそうで、「河豚太鼓」で子分の弥助のことを、「千本桜」から鮓屋という綽名が付けられたと書いている。義太夫語りの落語に親しんでいなければ、何のことか判らなかったろう。「幽霊の観世物」では江戸の小屋掛けのルールが知れて面白い。当時はお化け屋敷で人間が脅かすのはダメだったなんて。「菊人形の昔」「蟹のお角」は連作短編となって、お角のやり手ぶりに慄然とした。しかし、白洲での取調べで写真が決め手になるのも幕末ならではのことだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
半七捕物帳のレビューとなると毎回毎回、決まり文句のように書いてしまうのが「言葉が美しい」という一点。特に、各作品の冒頭で半七老人が江戸の昔を思い出しながら話す口調がとても流麗で、本筋に入るためのイントロであるにもかかわらず、その部分だけを何度か読み返したくなることもしばしばあります。役者の口上のようでもあり、落語家の枕のようでもあり。半七の、ひいては作者である岡本綺堂の知識の深さ、言葉の巧みさに魅了されてしまいます。 推理小説として読むにあたっては、一連の「半七捕物帳」シリーズの初期のものに比べて、かなり推理が難しくなってきています。初期の作品は、難しいながらも何とか推理の糸口を掴めることがあったのですが、この本に収められている作品については全くと言っていいほど推理ができませんでした。かと言って興が削がれるということはなく、半七の閃きや心意気に大いに魅せられる部分が多々あり、江戸の美しさや混沌とした様子、今は知る由もない習俗を楽しめることも合わせて、読んで損はない充実の作品となっています。
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